【 買い物 】 初出-2009.07.20

初めて給料を貰った弘樹は、振り込まれた通帳をポケットに入れると部屋に鍵を掛けて出掛けることにした。
随分前から目を付けていたモノがあった。それを買いに行くのだ。

バイトで生活費を稼いでいる弘樹の住まいは小さなアパートだ。
夜になって帰宅すると、最初にすることは真っ先に畳に倒れ込んで眠ること。
四時頃に目覚め、インスタントの食事を作って食べる。そして畳の上で胡坐を組んでボーっとTVを眺めるのだ。
そのうち朝六時になるので慌ててシャワーを浴び、歯を磨いて出掛ける準備に入る。
最後に財布と携帯電話を確認し、土木作業員の恰好を大きな鏡でチェック。
今の現場は自転車で三十分なので、毎回、朝礼前のギリギリにタイムカードを押していた。

そんな生活を始めてから一か月が経っていた。
慣れない作業と筋肉痛に身体は疲労を訴えてくる。自分の手足が重くて言うことを聞かないのだ。
精神状態もあまり良くなかった。早朝から夜まで働くのだから当然と言えば当然だった。
怒られないよう手順を間違えないよう、ずっと気を張り続けているのは結構神経にくるのだ。
それでも労働基準監督署に叱られないよう休憩時間は長く設定されており、水分補給や健康チェックも一時間毎に行われていた。



数週間前のことだ。もう畳は嫌だ、椅子を買おう、と春樹は突然思った。
そして早速、仕事帰りに大きなデパートに出掛けてみることにした。
閉店より少し前に到着した弘樹は、何度も座り心地を確かめて一つの椅子を選んでいく。
「これは尻が痛いな」
「こっちは、う~ん、よく分からん」
「おっ、これは・・・・。うちの部屋には大きすぎるか」
翌日には他のデパートまで足を伸ばし、そこでも春樹は選びに選んだ。
そうして何日か目にやっと気に入ったものが見つかったのだ。

給料が振り込まれた二日後。
ようやく弘樹は休暇をもらえることになった。
「よし、今日こそは和風の部屋に、洒落た椅子という異文化を入れるぞ」
前日までの疲労が溜まっていたのか、訳の分からない意気込みを一人呟き、部屋を出て行く。
ずっと欲しかった椅子がようやく手に入るのだ。多少の興奮は仕方なかった。

給料をもらったらすぐに買おうと考えていたから、弘樹は弾む足取りでアパートの階段を下りていった。
「ふん、ふふ~~んっ。ふふふっ、ふふっ、ふふふ~~っ、んっ」
気分が良かったので歩きながら鼻歌が出てしまう。
「ふふふ~~っ、ふふっ。ふふふふ~~~んんっ」
一節が終わった所で銀行を通り過ぎたことに気が付いた。
春樹は一瞬悩んだものの、デパートにもATMが設置されていたことを思い出してホっとした。
そこで現金を下ろせばいいや、と歩き続ける。

デパートの手前にある歩道橋を渡り、あと少しだと階段を軽快に下っていく。
数秒後、最後の段に足を掛けた弘樹の背がいきなりドンっと押された。
当然のように前に倒れていく身体。
止める術など持たなかった。
「えっ」
小さく叫んだ時には、眼前に固いアスファルトの地面が迫っていた。
(ぶつかるっ!)
目を閉じ覚悟を決めた弘樹だったが、一向に衝撃は訪れない。
不思議に思って目を開けた彼の前に広がっていた風景、それは・・・。

自分と同じ年代の青年ばかり十数人が一箇所に纏められ、大柄な男の前に跪いて涙を流していた。
そこはどう見ても宇宙船の船内だった。
広い船室を大勢の船員が忙しそうにあちこち動き回っている。
壁一面にモニターが設置され、その前には無数の操作デスクが配置されていた。
(・・・何だ、コレは!)
アニメでしか見たことのない光景に呆然と座り込んでいた弘樹の傍を、一人の船員が通って行った。
まるでそこには何も無いかのように自然な動きで。
(訳が分からないっ)
何が起こったのか把握出来ない彼の様子を、大柄な男が無言で見つめていた。



青年達を支配する男の手には、長い鎖が十数本ひとまとめにして握られていた。
其々の鎖の先端は跪いている青年達の首輪に溶接されて繋がっているようだ。
青年達は皆全裸で床に蹲り、怯えて震える者、どこか諦めたような表情の者、現実を受け入れられず涙を流して嘆く者など様々だ。
よく見ると数人の足元が濡れており、それは少しずつ広がっていた。
彼らの肌には、一人残らず無数の白いモノが固まった状態でこびり付いている。
垂れるように幾筋も固まったそれを見れば、何も知らない者でも淫靡さを無意識に感じ取るに違いない。

この部屋全体を牛耳っている大柄な男が立ち上がった。
(動いたっ)
まるでアニメでも観ているような気持ちでいた弘樹は、男の動きに動揺した。
そのゆったりとした歩みには余裕が見て取れた。
背後では、男の動きに合わせて引き摺られてしまった青年達が悲鳴を上げている。
ズルズルと力任せに引っ張られ、剥き出しの肌を床で擦られているのだ。
鎖が首に巻き付いて解けずパニックになる者さえいた。周囲の誰もそれを助けようとはしない。

必死に付いて行こうとする青年がいた。床についた手が滑ったのか前のめりになって倒れてしまった。
ぐげぇえええ~~~~っ、という嫌な声が聞こえた後、ピクリとも動かなくなった。
その人物にぶつかった別の青年が、同じように手足を滑らせて鎖の餌食になるのを弘樹は見ていた。
何も出来ない。動くことも声さえも出せなかった。
動かない彼らを無視して男は歩き続けていた。
背後の阿鼻叫喚など興味ないのだろう。足取りに迷いは見えなかった。

とうとう男が弘樹の傍にやって来た。無意識に後ずさった弘樹へとその太い腕が伸びる。
物凄い力で立ち上がらされた弘樹は、ジロジロと物品を確認するような目で頭から足まで眺められた。
(こ、恐いっ)
弘樹の動揺など気にも掛けず、男はフンっと荒く鼻息を吹いた。
そして背後を振り向くと大声で部下らしい男に命じた。
「コイツをディジン様の部屋へ連れていけ」
「分かりました」
何故、言葉が分かったのか、なんて考える余裕が弘樹にはなかった。
自分の身に恐ろしいことが起こっている。それだけで一杯一杯だった。

怯えて立ち竦む弘樹に目もくれず、男は泣き続ける青年達の鎖を引き摺って元の場所へと戻って行く。
まだ意識がある者を数えた方が早いだろう。ほとんどの青年は失神していた。
弘樹には彼らの心配をする時間がなかった。
命令された部下が彼の背後に回って肩を掴んだからだ。
「ひい・・・っ・・・」
見知らぬ人間から力任せに掴まれ、肩が激しい痛みを訴えてくる。
だが、それを弘樹の思考が受け取る前に、身体全体が床へと強引に押し倒されてしまった。
「・・・うぐぅううううううううっ」
呻く弘樹の背を容赦ない部下の足が蹴り始めた。
「ひぃぎゃあ~~~~~っ!」
最初の一発で抵抗する気などなくなったというのに、何度も何度も部下の蹴りは続けられた。

乱れた髪を手で直した部下は、靴跡がシャツの背にベットリと付いた弘樹の身体をひっくり返した。
今度はその首に縄を結び、クイクイっと引っ張って外れないことを確かめていく。
そして徐に呻き続ける弘樹を強い力で引き摺り始めた。
部下が一歩進むごとに首が絞められていく。その恐怖に涙が溢れて止まらなかった。
指を縄の隙間に引っ掛けて必死に外そうと足掻いても、前を進んでいる部下の歩みは変わらなかった。
容赦ない力で出入り口へと縄を引いて歩いて行く。



扉がシュっと開き、誰も居ない無機質な冷たい廊下に出た。
唯一の音は、部下の確かな足音と虜囚の呻く声だけである。
暫らく進むうちに、それはカツカツと規則正しい部下の足音だけになった。
ようやくそれに気付いた部下が足元を見下ろすと、虜囚は首を圧迫されて息も絶え絶えの様相で蹲っていた。
仕方なく無言で虜囚の身体を足で仰向けにした。
股間目掛けて思い切り蹴りつけていく。
「うぎゃぁああああああああああ~~~~~~!」
部下は物凄い悲鳴を上げる虜囚を満足げに見下すと、再び歩き始めた。

手に持った縄を動かす力は先程と変わらなかった。
「ひぐううううぅ~~っ。・・・んぐっ、・・・うっ・・・んぐうっ。ぐぶぅっ、ううぐうぅ~~~~っ」
ただのモノ、それも悲鳴しか上げないつまらない玩具。
この虜囚に限らず玩具を気遣ったことなど一度もなかった。
この船の者にとっては、場所をとるだけの品物に過ぎないのだ。
だが、これを安く仕入れて売るだけで途方も無い稼ぎになるのも事実だった。

リストの品を買い揃え、時間が余った彼等はついでにと時空を超えていた。
そう、従順な玩具が生息することで有名な惑星まで船を進めたのだ。
十五匹の玩具をタダで仕入れて、ほくほく顔で自分達の星へと戻ろうとしたその時、十六匹目がモニターへ映し出された。
彼等の宇宙船は透明なバリアーで包まれており、この惑星のモノたちの目に船が映ることはない。
その利点を生かすことで、十六匹目も秘密裏に連れ出すのに成功した。
早速、仕入れ品をセンサーで確認すると、ディジン様ご所望のタイプだと判明した。
残りの十五匹の玩具は、ディジン様の要望と合わなかった。
故郷に戻り次第、玩具市で競りに出すことになっていた。


たまたま船に乗り合わせていた老人はその報告を聞くと、喜びを顕にして命令した。
「イヒヒヒヒっ。すぐに連れて来なさい」
ニタニタと笑う皺だらけの醜悪な老人に反吐が出るが、モニター越しの船長は無言で頷いておいた。
部下に老人の部屋まで玩具を届けさせると、早速映像が入った。
「フヒヒヒヒっ。ヒヒヒっ、気に入ったぞっ! コレはワシのもんじゃっ」
皺だらけの顔をくしゃくしゃにしてニタリと嗤う老人がおぞましかった。
この船内の権力者は船長である。それを無視する老人の振る舞いは船員全員から嫌われていた。
勿論、船長もこの老人が大嫌いで、今すぐ外に放り出してしまいたかったが流石にそれは出来ない。

この老人は、将軍とも親交のある商館の主であり、途方もない大金持ちである。
怒らせるのは得策ではなかった。
しかも旅はまだ数週間残っていた。
この玩具を与えて気持ち良く過ごしてもらえば何某かの見返りが有るかもしれない。
いや、部屋から出る回数は格段に減るだろう。それだけで自分たちに得と言えた。
モニターの端に映っている部下と視線を合わせ、船長は玩具を引き渡すことを許可した。

血の気が引き、涎が口の端から零れ落ちている。それに気付いていないのか、玩具はポイっと貴人用客室に放り込まれた。
老人に引き渡して仕事を終えた部下はブリッジへと戻って行った。


涙の痕が残り、口をパクパクして空気を吸い込む玩具に老人は近付いて行った。
ひいいいっと叫んだ玩具の顔に股間が疼いた。
久しぶりに楽しめるモノが見つかって嬉しくて堪らない。
まだ叫んでいる玩具の頬をパンっパンっと張り手で叩いてやった。
「黙るんじゃ。玩具のくせに」
そう言って玩具の頭を掴むと自分の股間へと押し付けた。
ひどくすえた臭いを放つそこに鼻をやられたのか、顔を引こうとする玩具の頭を再度老人が強い力で押した。
「舌でワシのを出すんじゃ」
ほれ、と恐ろしいモノをグイグイ押し付けて、息が出来ないと顔を強張らせる玩具の表情を愉しんだ。

「早うせんか、このグズが・・・」
このままでは股間に埋まった状態で窒息死だと思ったのだろう。玩具が呻きながらも顔を動かした。
ゆっくり舌を出して嫌々ながらも老人の前を開いていく様子にヒヒヒっと笑い声が漏れた。
大きくて太いモノを玩具に見えるように突き出してやった。
現れたそれをマジマジと見やる玩具に嬉しさが込み上げてきた。
(これは、・・・拾いものじゃて。こやつ、調教によっては最高の玩具になるかものぉ)
それは醜悪な臭いを放ち、白く濁った排泄物がこびり付いていた。
吐き気がこみ上げた玩具の頭が後ずさっていく。

少しでも離れたいのだろう。必死に目を逸らそうとする。
そんな玩具の鼻を老人の指が摘み上げた。
「フヒヒヒヒっ。どうじゃ」
暫らく頑張った玩具も、ついに息が出来ず口を大きく開けてしまった。
ハア、ハアと激しい呼吸が部屋中に広がっていた。
それを別の音に変えようとするかのように、老人が動いた。
息を吸う為に開かれた口を狙って長く太いモノをズボっと差し込んだのだ。
そうして、ある程度の長さが入り込んでから指を外してやった。
「んぐうううううっ、んんぐぶぅううぅっ。・・・うぅぐぐうぅうううう~~~~~っ! ・・・んんっ・・・ぐうっ・・・ぶふぅっ」
まだ奥まで入れるんじゃ、と叫んだ老人はグイグイと捩じ込むように押し入れていった。

咽喉の奥まで突き入れられ、顔が蒼白なる玩具を愉快そうに老人が見つめていた。
「クヒヒヒっ。・・・実にイイっ。なんとも可愛い泣き顔じゃわい」
ほい、っと呟いて少しだけ己の膨張した竿を引き抜くと、必死に息をしようとする玩具を嗤ってから元に押し込んでいく。
「こんなチンケな船に乗って、・・・おおぉうぅう~~~、イイっ、イイぞぉっ」
死にそうな苦しさの中で口の中のモノを必死に押し出そうとする玩具。その動きに老人の竿の先端が反応した。
「ヒヒヒっ。・・・最初は退屈じゃったが、ここまで来た甲斐があったわ。キヒヒヒヒっ」
嗤い続ける老人の股間では、頭を押さえ付けられ、咽喉を突かれて息も絶え絶えの玩具の姿があった。

▲  

それから数週間が経過した。
宇宙船から降りた老人の傍には、かつて弘樹と呼ばれた若者の姿があった。
だが、その若者を知人が見つけても近寄ることはないだろう。
ムンムンする何とも言えない淫猥な気配を漂わせ、もう人間でなくなっていたからだ。

老人の手によって立派な淫乱奴隷に仕込まれた玩具に名前はない。
迎えに来ていた車に玩具を押し込み、老人はそれを自分の経営する商館の一つに連れ帰った。
船内には調教用器具が少なく、順調に淫乱になっていく玩具に負けそうになったことがあるのだ。
この淫乱な玩具に最高の淫具や媚薬を用いて常に身体中を疼かせなくてはならない。
老人専用の玩具である自覚を持つよう厳しく調教することに決めていた。
やがては商館の看板として売りに出すことも出来るだろう。
「・・・ぼ、僕の淫乱おっぱい、吸ってぇえええ~~~~~~っ。あぁ~、あうぅっ。もっと、もっと大きくしてぇええ~~~~~~っ」
玩具の強請りに満足気に笑った老人は、更に嬲る為の指示を出した。
「キヒヒ、キヒヒヒ。もっとじゃ、もっと腰を振らんか。指は穴から出すんじゃないぞ」
何を言われても大人しく命令を聞く玩具が可愛かった。
嬉しいと喘ぐ表情に満足すると、老人は次の卑猥な指示をお気に入りの玩具へと与えてやった。



商館の地下で飼われてニヶ月が経っていた。
玩具弘樹は、現在でも老人一番のお気に入りである。
あれから幾つかの玩具が入荷されたが、その座をキープし続けているのだ。
「ひゃいっ、ひ、ひぃいいいいい~~~~~っ。いっ、ひぃぎいいぃいいいい~~~~っ」
それは、この玩具にとって不幸なのか、幸いなのか。
客に提供されることはなかったものの、老人に嬲られる毎日が幸せと言えるのか本人にすら分からないだろう。
ましてや、今日のように老人の息子と共に調教されることもあるのだから。

半月後には将軍と将軍の甥が商館を訪れ、専属の奉仕奴隷を購入することになっていた。
それに合わせて最高級の奴隷を準備していた。老人の息子の手による調教も順調に進んでいるようだ。
将軍の甥には悪い評判しかなかった。暴力で全てをなぎ倒すタイプで奴隷を与えても殴り殺して捨てるのが趣味だという。
後継ぎにしようと考えている将軍にとっては、早急に別の発散方法を取る必要に迫られているのだ。
「二体、いや三体の高級奴隷を買うよう持っていくんじゃ」
「どうせ殺されるんだろ。勿体ないから中級のにすればいい」
商売が下手なのか、単純に思ったことを言っただけなのか、老人の息子は消極的だった。
「お前は馬鹿だの。また買いに来るよう仕向けんかい」
老人はニタリと笑うと、商売用に飾ってある下級奴隷のペニスを掌で叩いた。

奉仕奴隷と別の言い方をしているが、結局はいつでも捨てていい玩具である。
最高級の奴隷を何度も欲しがるよう商館では色々な手を打つ必要があった。
その一つとして考えているのが、お気に入りの玩具を使っての体験だった。
「高級奴隷の売りは、元貴族の子息令嬢である血筋と初物散らし。その場で試させるのは確かに無理ですからね」
上司である父親から誘われた息子は、朝から一緒に玩具を犯し続けていた。
世間の評判と違って、将軍の方も品行方正とは言えない趣味を持っているのだ。
将軍と将軍の甥二人ともが、この商館で長時間楽しむに違いなかった。


自分の息子が何やら険しい顔で玩具の頬を叩いていた。
黙って眺めているとヒイヒイと泣いて玩具が壁へと逃げて行った。それを息子が追い掛けて行く。
床に蹲ってしまった玩具の足首を掴むと中央まで連れ戻し、強引に己のモノを突き込んでいった。
「フヒヒヒヒっ。あやつもまだまだ若いのぉ」
二人掛かりでの調教は久しぶりだった。
起き抜けの身体を床に押し倒すと、寝ぼけた状態の玩具の上下の口を塞いでザーメン塗れにしてやった。
交代して同じことを繰り返し、ボロボロと泣く玩具を四つん這いで犬のように歩かせていく。
時折、その濡れた穴に指を突っ込んだり、太いモノで貫いてやると、嬉しそうに悲鳴を上げて喜ぶ玩具。
老人は少し休憩だと、水を飲みに行ったのだが、戻って来たら息子はまだ玩具を使用して楽しんでいた。

最近の玩具は、確かに淫らさに磨きが掛かっている、と言えた。
いつの間にか息子があの熟れた身体にハマってしまっても当然だった。
だが、調教師としては失格だった。さっきから老人を無視して己の欲望を満たし続けている。
「まぁ、たまには良いじゃろうて」
あの息子にそうさせてしまうほど躾けられた玩具の淫らさを、老人はニヤニヤしながら目で楽しんでいた。

しばらく好きなように玩具を使わせた後、老人も調教へと戻った。
休憩を取ったのが良かったのだろう。股間がまたズクズクと疼き、ムクムクと砲身が立ち上がっていく。
息子が床に横たわり、そのペニスを玩具が腰を下ろして受け入れていた。
老人は立ったまま己の砲身を玩具の口に押し込むと、腰を振ってその咽喉を何度も何度も突き刺してやった。
「うっむぅぐぅううううううう~~~~~。ふっ、ぐうぅうううおっぐぅうう~~~~っ」
強引に突いてくる太いペニスに呼吸を止めれられ、苦しさに玩具が口からそれを引き抜いてしまった。
すぐに息子が繋がった状態で腰を起こすと、ビンタを張って怒鳴り散らした。
「淫乱奴隷に許されるのは哀願と嬌声だけだ! 何度も私の手を煩わせるな!」
パンっパンっと叩かれて、玩具の頬が真っ赤に染まっていく。

泣き喚くことを許されない玩具は項垂れたまま、それでも奴隷の性なのか老人のペニスを咥えようと口を大きく開いてみせた。
「よおし、よし。いい玩具じゃのぉ」
涙をポロポロ流す玩具の唇を先端で撫で回し、濡れたモノで汚してやった。
縋るような視線に股間が疼き、すでに太く膨れたモノを咽喉奥へと突き入れると、生暖かい口内の感触を楽しんだ。
ふと、黙ってしまった息子へと視線をやると、恨めしそうな悔しそうな目で玩具の従順さを見ていた。
(ほんに若いのぉ)
老人はかつての自分を思い出すと、笑いながら玩具の口から己のモノを抜き取っていった。
それから息子と態勢を交代する指示を出した。



更に一週間後。もう一度、息子と二人で玩具の調教を行うことにした。
玩具の頬は息子に叩かれてパンパンに腫れてしまった。
「ホっホっホっ、いい色じゃわい。どれ、ワシも叩こうかのぉ」
バシっ、バシっ、バシっ、と予想以上の良い音がして嬉しくなる。
さっきまで息子に突き入れられていた穴が大きくポッカリ開いていた。
老人は誘われた気がして、その穴の淵を己のペニスの先端で撫で回してやった。
前方では息子が玩具の頬をまた叩き始めたらしく、いい音が聞こえて来た。
悲鳴を上げるのを自分の掌で抑えた玩具が、救いを求めるように老人の方を振り向いた。
目で痛みと助けを訴えてくるのが可愛いかった。
(これはもっと苛めてやらねばのぉ)
叫ぶことの出来ない玩具が、怒鳴り始めた息子へと慌てて視線を戻していく。
何とかして怒りを治めようと考えたのだろう。身体を前に傾けて息子のペニスを咥えていくのが分かった。
部屋中にある鏡によって、本来見えない場所も角度を調整すれば見ることが出来る。
老人より太い息子のペニスに、必死になってむしゃぶりつく様に思わず笑いが零れていた。

濡れた舌を使ってペニスを頬張る玩具の艶かしさを、息子がギラギラした目で睨んでいた。
まるで、こんな舌使いでは勃起しないと言わんばかりだが、ペニスの方は喜びに膨れているのが分かる。
「んっ、・・・ぐぅ、んちゅっ。んんぶっ、んんちゅっぶっ。むぅ・・・ちゅぶうぅ・・・」
舌の動きが分かる恥音に目を眇めた息子は、まだまだ甘ちゃんのようだ。
「はぁむっ、んっ。・・・んぶっ、・・・んっ・・・。んむぅっ・・・はぁっ・・・。んちゅっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ」
んちゅっ、ちゅばっ。れろれろっ。
咥える口の艶かしさと淫らさ。口端から流れ落ちる唾と生暖かい口内の熱に煽られたのだろう。
息子が玩具の後頭部を自身のペニスに押し付けていた。
(早いのう)
未熟な息子だわい、と思いながら老人自身も、その玩具によって煽られていることにを自覚していた。

玩具の方は、必死になって二人の支配者のペニスを上下の穴で咥えており、周囲を見る余裕がないようだ。
前に回して尿道を弄っていた指を外すと、老人は自慢の大きなモノで再度ガンガンと突き上げてやった。
元々埋まっていた老人のペニスに身体を押し上げられ、玩具は悲鳴を上げたに違いなかった。
だがその口には息子のペニスが入っており、声を出そうにも出せないのだ。
玩具の身体が綺麗な赤に染まっていく。
恍惚の表情を浮かべているだろう淫乱玩具に魅せられたのか、息子が一際太く勃たせたそれを咽喉奥へと埋めていくのが分かった。



上と下、両方の穴にザーメンが注ぎ込まれていた。玩具は何も考えることなく全てを受け止めていく。
調教前に尿道から注がれた媚薬の効果もあるのだろう。
あるいは、異星人のザーメンには何か特殊なモノが入っているのかも知れない。
毎日十回以上ものザーメンを上下の区別なく与えられていた。
媚薬も玩具用に調合されたという強いモノが使用されており、強烈な刺激で常に身体が疼いていた。
「フヒヒヒ。ジニアス、そろそろ店を開ける時間じゃろう。・・・準備するといい」
主人が息子のジニアスに指示を出してくれたので、玩具はホっと息を吐いて安堵した。
ジニアスのペニスは幾つもの凹凸があり、玩具の内壁を傷付けるようにして奥へ進んでいくのだ。
すぐには痛みを快感に換えられない玩具にとってジニアスは恐怖でしかなかった。
そう、その太さと長さに目を奪われるとしても。

あの宇宙船の中で過ごした期間、主人の与える痛みを快感として受け取るよう調教されていた。
他の人物、例えそれが主人の息子であっても、玩具には他人と共有されることに嫌悪しか抱けないのだ。
こんな自分はおかしいと分かっていた。人として狂っているのだろう。
男に犯されて喜ぶ、その段階で間違っているのだから。
だけど、こうも思うのだ。
主人と認めてしまった男のペニス以外を欲しがったら、もう後は一体どこまで堕ちていくのか自分でも推し量ることが出来ない、と。
それが玩具と呼ばれるモノになった今でも怖かった。

主人の指が胸と乳首に移動していくのを興奮しながら見つめていた。
ニヤリと笑った主人が、女のように大きく膨らんだ胸を鷲掴みにすると、乳首だけ人差し指と中指で挟んで揉み始めた。
その痺れるような刺激に尻穴も呼応したのだろう、パクパクと開閉して膨張したアレを欲しいと訴えていく。
自分の父親が玩具と交わるのが許せないのだろうか。
ギっと睨みつけてくるジニアスが怖くて、視線を合わせないように目を伏せた。
彼にとって玩具はただの『淫乱奴隷』という商品なのだ。
『淫乱奴隷』ではなく、自分専用の『淫乱玩具』として囲う父親に、
「アレは高く売り付けることが出来ると言ってるんだよ」
店に卸すよう毎日意見しているのを知っていた。

のらりくらりと息子の意見を交わす主人に縋って怯える姿が腹立たしいのだろう。
今日も何かに怒っているジニアスがこっちを睨んでいた。
「困った奴じゃのぉ。・・・ほれ、早う店に行かんかい」
父親に窘められ、ジニアスがワザとらしい溜息を零して、ようやく口から己のペニスを抜き始めた。
恐ろしいモノが消えて嬉しい筈なのに、何故か玩具の胸が痛み出した。
嫌なのに、本当に嫌なのに、どうしてこんなに悲しいのか分からなかった。



抵抗のつもりでジニアスはゆっくりと口からペニスを引き抜いてやった。
「・・・ぐぅふぅうう~~~っ。・・・うっぐうぅうう~~~~っ。んんっ、ぃやっ、・・・も、もっと・・・」
涎を垂らし、無意識にペニスを欲しがって呟いた玩具の唇を見てしまい、ジニアスのそこが熱く高ぶっていく。
だが、さすがにそろそろ店を開けないと本気で父親に叱られてしまう。
男女問わず数百人もの奴隷を売買している自分が、父親の玩具を欲しがるなど許せなかった。
「あぁはぁああ~~~~っ、んっ、んん~~っ! ・・・ぺ、ペニスぅうう~~~っ、ペニスっ頂戴ぃいいい~~~~っ」
あんなに苦しがって嫌がっていたくせに、この淫乱玩具はそれを忘れたように叫び始めた。
「お、おっきいのぉおおおお~~~~っ! 頂戴っ、頂戴っ、ねえぇええ~~~~っ」
父親の杭に激しく尻を貫かれていながら、それでもなお口にも欲しがって懇願する玩具に胸がムカムカした。
欲しがるままに今すぐブチ込んで滅茶苦茶に嬲ってやりたかった。
「クソっ」
それをグっと我慢してジニアスは店へ続く階段へと向かった。
背後からは泣いてペニスを欲しがる声が聞こえていたが、口元を引き締めて表情を改めると階段を上がって行った。
そんな自分の背中を、父親が二やけた視線で貫いている気がして気分が悪かった。


階段を上がって去っていくジニアスが視界から消えてしまった。
苦しかったのに、早く外して欲しかったのに、自分でも理解できない何かが胸を騒がせて仕方がなかった。
ずっと咥えておかなきゃ、アレがないとダメだ、と誰かが囁いている気がした。
諦めがつかなくて階段から目が離せない玩具の背後で、尻の穴を刺し貫いたままの主人が大声で笑い出した。
「クヒヒヒヒヒ。あいつもまだまだじゃのぉ~~。あの様子だと店の奴隷が一匹使えなくなるわい」
押し倒すように前屈みになった主人がグリっと尻穴を広げるようにペニスを回してきた。
「キヒヒヒヒヒ。・・・お前のせいじゃぞぉ、うん?」
分かっておるのか、と囁く言葉に頬が赤くなる。
「そ、そん・・・」
返事をする間もなく、膨張して凶器となったモノで身体が突き上げられて悲鳴を上げた。
「いぎいぃいいいいいいいいいいいい~~~~~っ! ひっ、ひいぃっ、いひいぃいいいいいい~~~~~っ」
「うむぅ、・・・いい締め付けじゃのおぅ。クヒヒっ、・・・おうっ、おうっ、いいぞおぅっ」
ズンズンっと遠慮のない突き上げが繰り返されて、握り締めた拳で何度も壁を叩いていた。

「ひいっ、ひぎぃいいいいい~~~~~っ。あぐぅっ、ぎぃっ、ぎひっ、あっ、ああぎぃいいい~~~~~~っ」
痛くて痛くて、生理的な涙を流しているというのに、元は弘樹という名の玩具の身体は悦びに震えていた。
無意識に腰を振ると主人の太い杭を奥へ、奥へ、もっと深く奥まで入ってと誘っているのだ。
優しい主人が望みを叶えてくれて、すぐに圧倒的な快感で身体中が歓喜に包まれていく。
そうして玩具は気付いてしまった。
さっき、あれほどまでにジニアスを、いやジニアスのペニスを求めた理由に。

そう、それは、主人以外与えてくれない素晴らしい悦びをこの身体の中に閉じ込めておく為だったのだ。
声として出て行くのさえ許せなくて、口を塞いでくれる蓋を欲していたのだろう。
「あぁ、あっ、いやぁあああああ~~~~~~っ! いやっ、いやだっ、駄目っ、駄目なのぉおおおおおお~~~~~~~~っ」
せっかく与えられた快感が部屋の中に響き渡り、そして消えて行ってしまう。
大切な、大好きな主人から与えられた興奮の渦が声として自分の口から出て行くのさえ許せなくて玩具は強請った。
「い、いやぁああああ~~~~~っ。欲しいっ、欲しいのっ、ああ、ああぁ~~っ」
「うん? 何じゃ、そんなに気持ちがよいのか、クヒヒヒヒヒヒっ」
嬉しそうな主人の声を聞きながら、蓋が欲しいと玩具は階段を見つめ続けた。
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