(弐)


知らない内に、飼い主である道田秀規の屋敷に連れて来られていた。
見知らぬ部屋で目を覚ました僕は、パニックになる寸前に隣で寝ている主人の温もりに気付いてゆっくりと息を吐いた。

初めて会った男に捕らえられ、陵辱されて僕は主人の持ち物となった。
勿論、そんなことを認めるなど出来ようはずもなく、必死に抵抗する日々が続いた。
それでも、あるマンションの一室に閉じ込められて閉塞感と絶望に苛まされる時間が長く続くと、やがて、媚薬に侵された身体は自ら主人の訪れを請うようになってしまった。
そう、躾け直すと告げた主人の仕組んだ通りに。

ようやくマンションから出されたのは昨日の朝だった。
それから主人の会社に連れられて、ずっと尿道に異物を挿入されて気侭に嬲られ続けた。
抵抗せずに我慢する僕の頭を、主人が優しく撫でてくれたのを覚えている。
仕事が終わると、主人は会食に出掛けてしまった。
僕はそれを車中で尿道弄りしながら待ち続けた。
ビー玉を抜き取っては入れる、そんな卑猥な遊びを繰り返しながら。
会食から戻って来た主人は、僕の様子を見て微笑み、いい子だと囁いてくれた。
この屋敷へ向かう間も尿道の中を指で弄ったり、ビー玉を入れたりしながら楽しまれていた。
そう、そして、六つだったビー玉が七つになった時、あまりの気持ちよさに僕は失神してしまったのだ。

あれから六時間以上も経っているのに、こうして思い出すだけで下半身が疼いてしまう。
強力な媚薬に侵された身体とはいえ、ここまで快楽に従順な自分が恐ろしかった。ましてや、途中でその媚薬の効果を消す薬を確かに飲んだというのに。
元から淫乱な性の持ち主だと教えられているようで辛い。
隣の主人の気配を窺いながらも、よく強引に起こされなかったなと思った。
主人の性格からして仕置きされて当然だからだ。
(疲れているのかな)
酷いことをしてくる相手の心配をするのはおかしいのかも知れない。
でも、もう彼は僕の主人なのだ。
どうしても気持ちは傾いてしまう。
(甘いよね、僕って。今だって逃げ出せるチャンスなのに)
眠っている相手からならば逃げ出すことも、一矢報いることも出来るのに。
そんな気が起こらないのだ。
ただただ、穏やかなこの時間が心地良いと、もっと続けばいいと思っている。
人としての生は終わったのだと、何となく感じていた。


もう一度眠ってしまったのだろう、僕は主人に起こされるまで昼近くになったことに気付かなかった。
「起きなさい、厚史。食事だ」
主人に起こされたことに恐縮しながらお腹に手を当てるとグ~っと音が鳴った。
お腹がすいている自覚はなかったけれど、夕べは食事を抜いたから当然かも知れない。
「お前の食事は、私がこの屋敷にいる間だけだ。寝ていたら一日一食になるだろう」
面白そうに笑いながら主人の指が僕の乳首を捕らえる。
「後で、この乳頭にピアスを嵌めるとしよう。両方だ、嬉しいだろう」
独り言か尋ねているのか分からないけれど、取り合えずコクコクと頷いてみる。
いい子だと頭を撫でられたから、次からも頷こうと思った。

乳首にピアスなんてすごく痛いに違いない。片方だけでも怖いのに両方に穴を開けられるなんて。
想像するだけで身体が震えてしまう。今すぐ逃げたいほど嫌だ。
でも、拒否したら・・・、僕はどうなるのだろう。
主人は恐ろしい人だ。何をされるのか分からない。
痛みだけならいつかは終わるだろうけれど、媚薬を使われたら一人ではどうにも鎮められないのだ。
永遠のような疼きと熱さが襲ってくる。
そんなの、耐えられなかった。



全裸だった身体に着替えを渡され、身に付けた。
やっぱり靴下はなかった。いや、今回は靴もないらしい。
恐る恐る尋ねてみると、
「屋敷の外に出る時だけ渡してやろう」
文句があるか、と言いたげに見返されて慌てて俯いた。
余計なことを聞いて主人の機嫌が悪くなると困るのは自分なのだ。
言動には気を付けなくてはならない。

大小の石が敷き詰められた道を通って中庭に連れて来られた。
どうやらここで食事をするようだった。
「来い」
主人の命令に、僕は頷いて傍へと近付いて行く。
自分の格好が恥ずかしくて堪らなかった。これがここでの僕の衣装となるなんて。
あのマンションのように全裸で過ごす訳ではないからそれだけは救いだと思う。
思うんだけれど。
(うぅっ、でもこれって着物で言う長襦袢、和服の下着だよね)
下半身を覆う物もなく、下着一枚で過ごすなんて全裸より恥ずかしいかも知れない。
テレビで良く見る真っ赤じゃないから少しはマシだけれど、紫だと逆に淫靡だと感じるのは間違っているだろうか。

椅子にゆったりと座った主人が僕の全身を眺めて、
「似合うな」
改めてそう言われてポっと頬が赤くなっていく。
褒められて何と返せばいいか悩んだ。
でも、無言がマズイことも分かっていたから慌てて、
「あ、ありがとう、ござい、ます」
呟くようにそう告げると、頭を撫でられてゆっくりと唇を奪われた。
ちゅっ。くちゅっ。
絡み合う舌が心地良かった。
口の中は唾と涎に塗れているのに、何故こんなにも気持ちがいいのだろう。

ちゅぶっ、くちゅり。ちゅっ、ちゅぶっ。ぬちゃ、ぬちゅり。
周囲では揃いの服を着た使用人たちが動き回っている。
そんな中で主人の膝に脚を開いて座り、向かい合わせで口付けを受けているのだ。
恥ずかしい音が鼓膜を打っていた。上の口と、下の口で。
布の合わせ目から入り込んだ掌がペニスを包み、射精を促すように激しく動かされている。
「いひぃ、ひぃんんっ、んっ。ひっ、ひぎぃ~~」
舌を引き抜いて悲鳴を上げると、怒ったように舌を絡め取られた。
更に激しくなる主人の掌の動きに急かされるように何かが下半身から昇ってくる気がした。
(そ、そんなに、しないでええぇ~~)
自分で慰めたことなど、主人と出会うまで一度もなかった。
淡白な性格だから女性を求めたこともない。
本当に主人が最初の相手なのだ。
こんなに激しい行為に今でも慣れることが出来なかった。

ずぷっ。ずぶぶっ。ぬぷりっ。
僅かな淫液の助けを借りて尿道の中へと主人の二本の指が入って来た。
「ふむ、簡単に入るな。もう少し慣れたら一本増やしてやろう」
嬉しいか、そう囁かれて、興奮に身体が熱くなっていた僕は素直にコクっと頷いていた。
太い指が二本も入っているのに感覚がおかしいのだ。今にもクニャっと崩れそうだった。
それでも、自分では制御出来ない何かに乗っ取られて揺れ続けている。
淫らに脚が開かれるのを他人事のように見ていた。


広い屋敷に、主人一人で住んでいると言う。
「オンナは面倒だ」
奥さんがいたら何かと面倒だと言いたいのだろうか。
よく分からないけれど雰囲気で尋ねていけないことは分かった。
グラスにミネラルウォーターを注いだ後、黙っている僕の耳元に主人が囁いて来た。
「厚史を俺好みにするだけで手一杯だ」
今後も調教を続けることを宣言されて胸がズキっとする。
それなのに、口に含んだミネラルウォーターを口移しで飲まされると何も考えられなくなってしまった。
ぴちゅっ、くちゅり。んちゅ、ちゅっ。
視線を絡ませての口付けにゾクゾクと震える背中は、恐ろしさから? それとも・・・。

主人に抱えられた僕は、テーブルを挟んだ向かい側の椅子に下された。
眼差し一つで指示されて肘掛に両脚をゆっくりと乗せていった。
「身体を少し傾けなさい。・・・ふむ、そこでいいだろう」
滑り落ちそうな角度でストップが掛かり、ガクガクと腰が揺れてしまう。
「見られるだけで疼くか」
笑うような口調に涙が零れそうになる。でも、主人の言葉が正しいと分かっていた。
落ちそうで身体が怖がっていることは確かだけれど、それだけじゃない。
僕の下半身は興奮と疼きでヒドイことになっていた。
確かめなくても分かってしまう。何故なら。
ペニスは興奮に膨張し、鈴口から淫液がビュっと零れている感触がするのだ。
パックリ割れているのは、尿道だけじゃない。尻穴までも全開だった。

僕の揺れる痴態を楽しみながら、主人の食事は終わった。
新聞を読みながら、コーヒーをゆっくりと嚥下していく咽喉の動き。
カップを戻す美しい所作に胸がズクっと痛んだ。
あの指で触って欲しかった。
あの咽喉で僕のペニスを含んで欲しい。
(それが駄目なら、僕の口に主人のを含ませてっ)
懇願する視線に気付いたのか、主人が小さく笑った。
「厚史の食事を」
背後に立つ使用人に告げられたその言葉に少しだけ失望する。
食事なんていらないから主人が欲しかった。


大股開きで見っとも無い姿を大勢の使用人に晒していた。
主人は姿勢を戻す許可を出してくれないから、もしかしたらこの格好で食事をするのかも知れない。
こんな状態で他人に食事を食べさせてもらうなんて嫌だった。
出来るのならば椅子にきちんと座って食事をさせて欲しい。でも、そう言えなかった。
今は穏やかな雰囲気だけれど、逆らった瞬間に無表情となり恐ろしい仕置きをされてしまうだろう。
閉じ込められていたマンションの日々が繰り返される。それだけは避けたかった。

口から落さないよう、溢さないように食べよう。そう思った僕は本当に主人のことを分かっていなかった。
僕はペットなのだ。まともな食事が出てくるはずがなかった。
会社では人目があったけれど、ここでは主人のやることに目を顰める者は一人もいないのだ。
この主人を普通の人間だと考えるのはもうやめよう。
きっと今後も理解不能な言動によって僕の心が壊れていくのは間違いないのだから。

食事として目前に置かれたのは、ドロドロのスープだった。
緑っぽいから野菜も入ってはいるのだろう。
「これから厚史の食事はこれだ」
顎を軽く突き出して食べることを指示されて、ああ、そうか僕はペットだったと無感動にそう思った。
なら、こうやって食べるのは当たり前なんだと、使用人の一人が掲げ持つ皿へと舌を伸ばした。

屈辱なんて感じなかった。
舌で舐めるごとに、啜って咽喉奥へと飲み込むごとに壊れていく心。
こんな目に遭うのならもう思考なんて必要なかった。
そうぼんやりと思い始めた時、
「厚史、嫌なら嫌と言いなさい」
自分がさせたくせに主人が僕の横に立って頭を優しく撫でて来る。
他人の放つ体温を感じ取った瞬間、痺れたように全身が固まり、弛緩するように僕の身体は屑折れていった。
そうなることを予感していたのか、使用人を下がらせていた主人が僕の身体を支えてくれる。
いつものように膝裏に腕を差し込んで持ち上げると、僕を胸へと抱え上げた。
無言の使用人たちを振り返ることなく歩き始めた主人の腕の中で、僕は耐えていた涙を溢した。



本物の犬の躾けや調教方法を本やWEBで調べた、と呟く主人を可愛いと思った。
これまで犬を飼ったことはなくても床に皿を置いて食事をさせることは知っていたらしく、それはさすがに忍びなくて使用人に皿を持たせたのだと言う。
ちょっと考え方が変だけれど、嘘は言っていないのだろう。
あんなに壊れそうだった心がほんのりと暖かくなっていく。
広い風呂場で、これまた広い浴槽に入っていたから当然と言えば当然だと思う。
でも、それだけじゃないのだ。
表情を無くした僕に焦り、身体を暖めようと風呂に連れて来てくれた。そのことが嬉しいのだ。

「ふむ、ほんのりだが赤くなってきた」
一緒に入っているからだろう、主人もリラックスしたように穏やかだった。
「来い」
普段と変わらない口調で呼ばれたのに何故か嬉しかった。
身体を寄せた僕を抱き抱えると膝の上に乗せてくれる。
「自分から入れなさい」
お前はペットだな? そう言われた気がして、
「は、はい、ご主人さま」
ちゃんと言うことを聞くペットだと分かって欲しくて視線を合わせた。
唇を奪われ、歯裏を舐められて褒められたことを知った。

食事の前の疼きを思い出した身体が、お湯の温度と相まって高まっていく。
ペニスが、尿道が、興奮に震えているのを感じた。
早く主人が欲しいと泣いているのだろう。
勝手に射精しないようにペニスの砲身をしっかりと握ると、背後から含み笑いが聞こえて来た。
「いい子だ。あとでじっくりと苛めてやろう」
褒めるような囁きに、全身が総毛立った。
ズクズク、ジクジクと、あらぬところが一斉に感じ始めたのだ。
「ひゃいっ・・・」
ありがとうございます、とお礼を言わなければならないのに、意味不明な言葉が口から零れてしまう。
愉快そうに笑う主人に恐縮しつつ、その逞しい肩にそっと両手を置いた。

焦る自分に泣きたくなるけれど、欲求不満な身体は早くしろと急かすばかりで。
何しろ、この二日間、一度も主人のものを入れられていないのだ。尿道ばかり調教されて、そこはまるで処女のように固く閉ざされている。
いつのまにか淫液が尻穴を濡らしていたようで、ヌルヌルと滑るその場所に主人の巨大なペニスへと当てて一気に腰を落としていった。
「いぎぃいいいいいぃぃいいいいい~~っ! ひぎっ、いぃ、ひっ、ひぎぃいいいい~~~」
最初に耐えられない強烈な痛みが襲い、次に僅かな快感がやって来た。
その後は、自分が何をしているのか分からなかった。
痛みに泣いているのに、何度も尻穴から抜き取っては主人のペニスを欲して腰を落としていく。
「想像以上にエロいな」
目前の主人が何か言っているような気配を感じるけれど、もう腰の動きを止められなかった。

どれほど抜き差しを繰り返したのか分からない。
主人の形に拡がってしまった内壁に大量に中出しされ、
「よく我慢した。イキなさい」
優しくあやすように揺すられて風呂の中へとザーメンを飛ばしていく。
そんな筈ないのにジョボジョボジョボといつもより大きな音が耳に届いてしまう。
羞恥に真っ赤に頬が染まったけれど、気持ちが良くて最後まで出してしまった。
何とも言えない気持ちいい余韻にブルブル身体を震わせていると、
「エロ可愛い牝犬め」
腰から双尻を撫でながら主人が耳元にそう囁いて来た。
本当なら泣いて抗議するべき単語に、ある種の誇りを感じてしまう僕はもう狂っているのかも知れない。
嬉しくて泣きたくなるなんて。
でも、これは主人の褒め言葉なのだ。多分、最上の。

無防備に性器を晒し、射精する場面を見られて喜ぶ愚かなペット。
こんな恥ずかしい僕を怒ることなく可愛いと言ってくれる主人を大好きだと思った。
最初の出遭いがどうだろうと構わない。
もうそんな過去なんて忘れよう、これが今の僕の本音だった。
「いい子だ」
その優しい言葉だけで生きていけると。
怖いことも酷いこともされるけれど、それでも主人の傍に居たいのだから。


一時間以上はお湯に浸かっていたのかも知れない。
浴室から出た僕は、床にグッタリと倒れてしまった。
そんな僕を主人は四つん這いにし、背後から尻穴を貫いて来た。
「ひゃぎぃいいいいいぃぃいいい~~~っ。ひ、ひぃ、ひぎっ、ぎひぃ。いっ、いいっ、ひいっ」
「ほぐれまくって緩い穴も悪くない」
楽しそうな主人の言葉に、喘ぎながら僕はうっすらと笑った。
主人が喜ぶのならば、この身体を限界まで使って欲しかったから。
今なら、さっきと同じ格好で食事を摂らされても喜んで食べて見せるだろう。
ペットなんだから、主人が命じることに従うのが当たり前だと。

けれども、主人はそう思わなかったらしい。
僕に新しい長襦袢を着せて抱き抱えると、もう一度さっきの食堂へと戻った。
椅子に座った主人の胸板に背を預けて座らされると、限界まで脚を開くよう命令された。
主人の手で肘掛に両脚を乗せられ、太腿やふくらはぎがプルプルと震えてしまう。
「好きなように弄るといい」
優しい指示に頬を染めつつ、僕は下半身へと指を伸ばした。
ぐちゅぐちゅ、と自分の左手でペニスの砲身を擦り、右手で尿道を弄り回していく。
尻穴はズップリと主人の長くて太いモノに貫かれており、時々、微妙に動く主人によって粘膜を擦られていた。

何とも言えない気持ちよさに揺れる身体。
そんな状態の僕に主人が片手に皿を持って食事を与えてくれていた。
例のドロドロのスープを自らスプーンで掬って口元へと差し出してくれるのだ。
嬉しくて嬉しくてスプーンごと飲み込んだ。
咽喉へと落ちていくそれはお世辞にも美味しいものではなかったけれど、そんなことはどうでもいいのだ。
この屋敷で暮らしていくのなら、このスープに慣れなければならない。
嫌な記憶が残ったままでは、また僕の心が壊れそうになると主人は考えたのだろう。
主人自ら僕を抱き上げて貫き、この食堂で食事を摂ることは怖くないことを教えてくれているのだ。

「美味いようだな」
上と下、どっちの話か分からなかった。でも両方とも美味しかったから、
「は、い、とてもっ、はふぅ、お、美味し、い、ですっ。あっ、あふぅ~んっ、ご主人さ、まぁ」
自分で動かす指も気持ち良かったけれど、やっぱり主人の微妙な動きが一番気持ちいい。
ズクズクと蠢く粘膜がねっとりと擦られて、叫び出したいほどに感じてしまう。
「あはぁ~んっ、んんっ、ひぎぃいいぃぃいいい~~。いひぃ、ひいぃ、いいっ、いいのぉ~~」
あのマンションで躾けられたザーメンを強請る為の言葉が自然に零れ出てしまう。
淫らな身体と言葉で主人の手と指と唇を、そして熱い迸りを欲するように無意識に視線で誘っていた。
それに応えるように唇を重ねられた瞬間、オンナのような嬌声にプライドを傷付けられた過去が塵のように消え去っていく。


気が狂うような交わりの中で食事を終えた僕は、汚れてしまった長襦袢をまた新しい物に替えられていた。
今度は色が黒に変わっている。
不思議そうな顔をしたのが分かったのか、
「眠る時は黒を身に付けろ」
テーブルを片付けている使用人を無視して、主人の右手が僕の乳首を布の上から摘んできた。
「ひぎぃっ」
痛みを我慢しようと歯を食い縛る僕を笑うと、摘んだ手の強さはそのままに口付けをくれた。
ぴちゅ、くちゅり。ぬちゅ、ぴちゅ、ちゅぶっ。
舌を差し込まれ、ねっとりと互いの舌の粘膜を舐め合っていると、布の合わせ目から手を入れた主人が、僕の勃起したペニスを掴んだ。
「寝室に連れて行ってやろう」
何をされるのかは分かっていた。
そう、自分が望んでいることと同じことを望まれているのだと。
嬉しいと呟いた僕を褒めるように、主人が乳首をギュっと摘んだ。



長い廊下を進んで到着したのは最初に目覚めた場所とは違う部屋だった。
少しだけビックリしていると、
「毎日、寝室は変わるだろう。掃除が入るからな」
何でもないように言われたけれど、ハッキリと昼間の粗相を指摘された僕は羞恥で頬が熱くなった。
昼過ぎに目覚めた僕はとんでもないことをしてしまったのだ。
前夜のビー玉の刺激がまだ残っていたのだろう。ペニスが熱くて熱くて仕方がなかった。
無意識にペニスの砲身を握り締め、激しく擦ってしまったのだ。
あれだけ主人に搾り取られたのに飛び散ったザーメンの量は凄かった。
色はさすがに薄かったけれど、主人にククっと笑われてしまったほどだ。

恥ずかしくて首を竦めていると、主人がベッドに上がるよう指示を出した。
慌ててベッドに上り、主人に見てもらえるように脚を開いていく。
「いい子だ。もっと開きなさい」
ブルブルと震える脚を限界まで開いた後、恐々と自分の双尻を掴んで左右に開いた。
普段は隠されている尻穴に風が当たって気持ちが良かった。
「はぁ~~んっ」
自然に零れる吐息。そんな僕を主人がじっと見下ろしていた。
無言の眼差しに足りないと言われた気がして、揺れ始めた腰を抑えながら更に尻穴を拡いていく。
すでに足裏はシーツから離れており、ガクガクと腰が揺れていた。

「欲しいか」
主語がなくても何を問われたのかすぐに分かった。
コクコクと頷くと、顎をしゃくられ、更に拡くことを指示されてしまう。
必死になって背を反らし、尻穴に指を突き入れて限界まで拡いた。
「ふむ、まだ狭そうだ。俺のと同じ太さと長さのバイブを特注してやろう」
もうすでに僕の指が入っている場所に主人の人差し指が入って来た。
「それをずっと入れておけば中が自然に拡張するだろう」
無感動に話している主人だったが、チラっと確認したら股間は熱く高ぶっていた。
僕の尻穴を弄りながら興奮しているようで嬉しくなってしまう。
この淫らな身体を主人に望まれている、その事実に気持ちが高ぶって何度も何度も頷いてしまった。
「いい子だ」
とんでもないことを承諾したのに気付いたのは、そのバイブをプレゼントされてからだった。
泣いて謝ったけれど許されなかったのは言うまでもない。


ピュっピュっと噴出す淫液に笑う主人。
浴槽内で、そして食堂で、僕の尻穴には大量のザーメンが注がれていた。
ほとんどは湯の中と、ここへ来るまでに流れている筈だ。
それでも尻穴からはずっと恥音が聞こえていた。
これから新たなザーメンが注がれるから、それは押し出されて零れ落ちるに違いない。
新鮮な大量のザーメンに尻穴が再度塞がれて、僕は喜びの涙を溢すのだろう。
「指を増やしてやろう」
嬉しいかと聞かれ、摘まれている乳首を主人の指ごと揺らして頷いた。
「ごしゅ、じんさ、まぁ~~。はぁ、あはぁ~~、んんっ。す、すきで、すぅっ。も、もっと、あ、厚史を、ひぎっ、ひぃっ、いじ、めてぇ~~」
子供のように素直な言葉で僕は今の気持ちを訴えた。

その後、何と言って返されたのか覚えていない。
普段よりも膨張し、恐ろしいほどに長いペニスに激しく貫かれて達してしまったからだ。
ズンズンと幾度も奥まで貫かれては、ズブっと抜き出されて粘膜を擦られた。
「ひゅぎぃいいいいいぃぃいいい~~!」
悲鳴を上げて無意識に逃げ出そうとしたけれど、許される筈もなくて引き摺り戻される。
それから何度も凶器のようなモノに刺し貫かれて。
「ひぎゃぁああああああぁぁあああああ~~っ。あがっ、ぐぅっ、うぐっ、ぎっ、いぎぃいい~~っ」
手加減なしで繰り返される抜き差しに涙が零れた。
痛くて痛くて、でも気持ちがいい。ずっとこうしていたい。
(離さないでっ)

気紛れに飼われたことを知っているから。
いつ気紛れに捨てられるか分からないから。
怖くて怖くて。
一人にしないで。もう主人以外に懐かないから。
お願い、この身体に飽きないで。
どうか、お願いします。
何をされても構わないから。
僕を捨てないで下さい。


二度目の大量中出しが終わり、ズボっと抜けていく主人のモノが内壁を擦っていく。
ポッカリと拡張された場所からは濁ったザーメンがポタポタと零れ落ちていた。
満足した筈なのに、身体の熱は高ぶるばかりで。いつまでも飢餓感が消えなかった。
主人の尿道の先端からチロチロと零れているザーメンに視線が吸い寄せられてしまう。
そっと舌で掬い取るようにして綺麗に舐め取っていると本物の犬になった気がした。
舐めては舌で咽喉奥へと流し込み、ゴクっと飲んでは美味しいと味わう。
こんなに美味しいものがずっと手に入るのならば、ドロドロのあのスープも残さず飲もうと思った。
主人の傍で生きていく為に必要な食事なのだから。
「いい子だ」
きっと飲み干したら、主人がいつもの言葉で褒めてくれるだろう。
ちゅばっ、ちゅぶっ。ぬちゃ、ちゅぶっ、ちゅばっ。れろれろ。
あのスープがこれと同じぐらい美味しかったら、そう考えながら僕は大好きな主人のザーメンの残りを吸い込むように舐め続けた。

ちゅっ、れろれろ。ちゅばっ、んちゅ~~、れろれろ。
夢中になっていたのだろう。顎と舌が痺れてもなお舐め続けていると、
「可愛いエロ牝犬になった」
愉快そうに目を細めて主人が言った。
満足気な表情に僕も嬉しくなる。
「だが、明日も仕事だ。もう一度ぶっかけて寝るとしよう」
独り言のような呟き。でも、これが僕への命令だと分かっていたから、
「んっ、は、いっ、ちゅぶっ。ご、ご主人さ、まぁっ、あふっ、んん~~っ」
れろれろ、ちゅぶっ。ちゅっ、ちゅっ、ちゅぶっ。
「はぁふっ、んんっ、口に、な、さい、ますか、あぁ~、んっ、それと、も・・・んんっ」
んちゅっ、れろれろ。ちゅばっ、んちゅ~。
「い、淫乱っ、あ、穴にぃ~~」
中々最後まで言わないことに焦れたのか、主人が僕の腰を掴んで抱き寄せるとズブっと遠慮もなく尻穴に凶器を差し込んで来た。

「あぎいぃぃいいいい~~っ。お、ひぃ、ひっ、ひぎい~~っ。い、いぎぃいいいぃぃいいいい~~!」
やっと小さくなりかけていたのに、いつのまにこんなに膨張していたのだろうか。
あと少しで快感に変わりそうだったのに、逞しい鋼棒にウットリする間もなくズンズンとリズム良く貫かれて悲鳴を上げた。
遠慮のない強引さに粘膜が擦られて痛くて痛くて、でも気持ちが良かった。
もう、これなしでは生きていけなかった。
怒らせると怖いけれど。怒らせなくても酷いことをされるけれど。
それがいいのだ。そんな主人を好きになってしまったから。

「ひんっ、ひんんっ! あひぃ、もっと、もっと、あっ、あはぁ~~んっ。あ、厚史をいじめてぇ~~っ」
優しくして欲しいのに何故か言葉にならなかった。
逆のことを言えば、そのまま受け取られて酷い目に遭ってしまうというのに。
「可愛いな、お前は」
でも、こうやって褒められる為ならば真逆の言葉を吐くのが正しいのかも知れない。
主人が僕に飽きないこと。
それだけが僕の願いなのだから。
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