【 愛撫 】 初出-2009.07.17
主人(院長)× 輪姦された少年 飲尿、複数人との行為あり
その場所は、普通の人々と特殊な人々が混ざり合って共存していた。
表面しか知らない、あるいは知らないフリが出来る者にとっては、エリアさえ間違わなければ問題なかった。
「すっごく賑やかで楽しいぜ」
「キラキラしてんだよ、もう他とは全然違うんだって」
確かに光と音に溢れており、少し歩けば他人とぶつかりそうになるほど人が混み合っていた。
だが、店と店の間の小道へと一歩足を踏み入れれば、まったく別の印象を受けるに違いない。
光は闇へと変わり、シンっとした静けさは怖がりには堪らない、肝試しさながらの異空間。
かなり先に薄ぼんやり光が見えているが、途中で幽霊か人攫いにでも遭いそうである。
帰宅を急ぐ者は人々の間を早足で通り抜け、その場所を良く知る者たちは用事がない限り決して小道へと入ることはなかった。
そんな不穏な道を恐れることなく歩く男は、ふらふらと身体を揺らしている少年を連れて、更に奥の小道へと進んでいた。
やがて、安定しない少年の身体を押すようにして最奥へ辿り着くと、無理して覗き込まなければ見えない死角に移動してようやく足を止めた。
頭上には、今にも消えかかりそうな街灯が二人を照らしている。
時折、数秒消えては点灯しているから、長時間この場所にいるのは防犯上とても危ういと言えた。
老年に差し掛かる手前の男が声を発することなく動き、少年の頭を掴んで壁と対面させていく。
痛みが走ったのか、うっ、と小さく少年が呻いた。それでも男から逃げる素振りは見せない。
逆に頬を緩めると、男の次の行為を待っているかのように大人しく立っている。
まるで、このあと自分の身を襲うであろう凌辱を待っていると言わんばかりに。
▲
ハミル・パチェリーは主人の大きなモノで尻を貫かれて喘いでいた。
壁に背を当て、主人の広い肩に両足を掛けた不安定な状態が苦しくて堪らない。
身体を支えているのは、僅かに壁にもたれた部分と抜き差しを繰り返す太い杭のみ。
激しい動きに足は今にも肩から落ちそうだった。
一段とピッチを上げる主人の杭の熱さに身体は燃え盛っている。
何も咥えていなければ口から舌を出し、溺れた魚のようにパクパク空気を取り込んでいる筈だ。
残念ながら彼のそこはあるモノで塞がれており、僅かな空気穴からの呼吸が精一杯だった。
この場所に二人が辿り着いた時、外はまだ夕闇だった。そして今は暗闇に包まれている。
「誰も見ないなら意味がないな」
ハミルの羞恥心を煽る為だけの顔の下半分を覆う大きな黒いマスクは一度外されていた。
けれど喘ぎ声が大きいと叱られて再度付けられたそれは、通常ならばある筈の両耳に掛ける紐もなく、一枚の黒い布で出来ていた。
布の端は後頭部で固く結ばれ、開けられた穴を通して金属の小さな錠がついていた。
口の中には、咽喉の奥を突きそうなほど長い異物。
動かないように両方の耳で固定されていても怖いことに変わりなかった。
自分で引き出せないようマスクで押さえ込まれている。
これは主人がハミルの為に外国に特別注文した淫棒で、長さこそ本物の四分の一程度であったが、太さも質感も忠実に再現されていた。
思いがけない主人からの誕生祝いで、嬉しいだろう、と見せられた時は正直怖気づいてしまった。
さすがに窒息死を免れる空気穴が作られていて、鼻呼吸すれば装着可能だ、と言われれば受け取らない訳にもいかない。
ただ、最初の数日は慣れることが出来ず、もがき苦しんだり数回の失神を経験している。
この一月近くの調教科目として、毎日一時間、長いと数時間の装着が義務付けられて、ようやく呼吸が出来るようになっていた。
今では僅かな時間で咽喉近く入れることが可能になり、主人も偉いぞ、と頭を撫でて下さった。
外出先で使うのは今夜の散歩が初めてでドキドキだったけれど、視界に入る度に、装着される毎に、今ではハミルの心と身体を悦びに震わせる大切なモノとなっていた。
残念ながら、一緒にプレゼントしてもらった尻穴専用のバイブは屋敷に置いてきていた。
こちらも細部まで主人のモノを忠実に模した縮小版で、大粒の真珠が先端の少し下に幅広く埋め込まれてある。
「お前には、これが一番嬉しいかな」
大粒の真珠を触りながら主人が耳元に囁いてきて、恐怖と興奮に身体を震わせたのを覚えている。
黒いマスクの下に隠した淫猥な道具を咥え込み、何食わぬ顔で外を歩くことはハミルにとって羞恥を覚えると同時に興奮の極みだった。
女顔だと言われて、クローゼットに用意されている服はワンピースばかり。
装飾品や小物も全て女性用が準備されていた。
今回は、そこから主人が選んだものを着ているのだが、足元に外気が入り込んできて何だか心許なくて堪らない。
首には本物の犬用首輪が嵌められており、明るい光の下ですれ違えば怪しい人物に見えることだろう。
下着は一切許されず常に全裸で過ごすハミルにとって、服を着ている現状の方が遥かに恥ずかしかった。
涙ぐんでいる姿を主人が面白そうに見ていることに気付くと、余計に頬が赤くなるのだった。
▲
ただの普通の少年だったのに、何故こんなことになったのか。
それは、ハミルの浅はかな行動の結果だった。
ある日、兄と喧嘩して互いに一歩も引かなかったことで、短期なハミルの方が家を飛び出したのだ。
プチ家出のつもりで仲の良かった近所の小母さん宅の呼び鈴を押した。
こうやって転がり込むのは日常茶飯事だったので、ここまでは家族にもバレていたと思う。
初めは何の問題もなく、テレビドラマやワイドショーを観ながら優しい小母さんとお喋りし、心が癒されていた。
そこへ酒癖の悪い元亭主がやって来て暴力を振るわれるまでは。
怒鳴られ、足で蹴られて、追い出されたのが悪夢の始まり。
いや、その時に家に戻れば良かったのだ。
兄に謝ってリビングで過ごせば、そのうち普段と変わらぬ日常に戻れただろう。
そうするべきだったのに。
(プチとはいえ家出なんだから、あと数日は帰らないぞ)
馬鹿な意地の所為で近所をウロウロと動き回っていた。
そこを元亭主である暴力男に見つかってしまったのが運の尽き。
酒の抜けてないその男は、ハミルをもう一度殴り付けると、性質の悪い友人を呼び出して引き渡してしまったのだ。
何処かの廃屋に連れ込まれた時、ハミルには何が行われるのかハッキリとは分かっていなかった。
精々、この男に殴られたり罵倒されたり、あるいは流血や骨折する可能性ぐらいしか想像出来なかった。
まさか自分がセックスの対象になるなんて微塵も思い至らず、ましてや男が同性をレイプして屈伏させることを喜ぶ変態だなんて思うはずもない。
暴力男に殴られたショックが消えないまま次の男に床に蹴り落され、背中から押さえ付けられてもハミルは何の抵抗もしなかった。
与えられる痛みを我慢していれば、いつかは相手の気も治まって逃げる隙が出てくると考えていたからだ。
すぐに腕っぷしの強そうな男がハミルの腰を跨ぐように乗っかって来た。
(ああ、始まる・・・。きっと痛いよね。ううっ、いやだっ、痛いのやだよっ)
覚悟を決めても怖い、と怯える視線の先で男の手が伸びて来た。
そう、ハミルは気付いていなかった。
このあと与えられる別の恐怖が、一生自分をどん底へと導く手始めに過ぎなかったことを。
男がようやく満足したのは、ボロ雑巾のように床に投げ出されたハミルが動かなくなってからだった。
自分の身に起こったことが信じられず、激痛と恐怖に涙を溢し続けていた。
(痛いよっ、痛いよ兄さんっ! ・・・助けてっ・・・)
それでも心の中で、これで自由になれる、それだけを祈っていたのに。
ハミルの不幸はまだ終わっていなかった。
隠れていたのだろう、廃屋に住み込んでいた十数人がゾロゾロと現れたのだ。
ゆっくりと離れて行く男に誰もが無言だった。強姦魔だと、犯罪だと糾弾する者は一人も居ない。
それどころか全員が笑いながらハミルへと手を伸ばしていく。
気配だけは感じていても指一本動かせないハミルは、その後一週間近くそこに捕らわれたまま、休む暇なく犯され続けた。
最後の日、汗や体液にまみれた汚い身体に唾を掛けられて、蹴り出されながら道に捨てられてしまうまで。
▲
意識を取り戻したのは病院だった。
誰かが通報してくれたのだろう、救急車に乗せられて来たと教えられた。
病室を訪れた院長は、警察からの報告や検査結果から大体の状況を把握していたのだろう。
ハミルに慰めの言葉を掛けることなく、生きてくれ、と命の大切さを説いてきた。
(何でだよっ・・・。何で、そんなことっ、言われなきゃならないんだよっ)
誰でもいいから殴りたかったし、泣き喚きたかった。
出来れば家に戻って、部屋に一生閉じこもっていたかった。
それでも、そのどれも出来なかった。暴力は嫌いだし、人なんて殴れない。
男なのに男に凌辱されたなんて、誰にも知られたくなかった。
(しかも・・・、お、大勢の男にっ、無抵抗で一週間も・・・なんてっ・・・)
ハミルは身体をブルブルと震わせて嗚咽を洩らした。
名前は教えても、家族の名前も住所も言わないハミルに、最初は誰もが同情的だった。
人道的な観点から極秘扱いで治療を施されることになり、一般病棟から特別病棟に移されていた。
その頃にはハミルの素性は警察によって詳細に調べられており、周囲の住人から聞き出した情報で輪姦を行った全員が捕まっていた。
何が起こったのか知らされた家族は一度は接触を試みたものの、今はまだ無理だという院長の説得に応じて時間を置くことにしたようだ。
ただ、引っ越しはせざるを得ず、その場所も院長と警察だけに知らされているという。
心に深い傷跡を残しながらも、治癒力の高い若い身体は徐々に治り始め、しばらくすると歩けるようになった。
それでも採血や簡単な脈拍を測るのさえ嫌がり、病院は看護師ではなく医師になったばかりの青年をハミル専属で付けることに決めた。
辛い目に遭った患者に配慮した結果だった。
その好意が、ハミルと若い医師の両方に不幸な結果を招いてしまうことになるなんて誰が思うだろうか。
暫くは、互いに距離を取っていたものの、やがてハミルの方が諦めたのか医師に慣れ始めた。
そんな頃、それは起こった。
若い医師が突然ハミルに襲い掛かり、強引に身体を結ぼうとしたのだ。
院内でも口の堅い医師が集められ、緊急の被害者ケアについて話し合いが持たれた。
注視されたのは、若い医師の釈明だった。
彼は副院長の三男で、小さな頃からこの病院の待合室で皆の邪魔にならないよう遊んだり勉強に励んでいた。
常連の通院者にも評判が良く、将来を見込まれている。
大学生になっても医師を目指して勉学に励んだ生真面目で硬い男であり、この病院の誰もが彼のことを知っていて好意を抱いているのだ。
その医師が必死に訴えてきたのだ。
「彼が僕を誘惑したんです! 僕は、僕は必死に抵抗したんですっ! 信じてっ、信じて下さいっ」
宥める医師達の言葉も聞こえないのか、
「ああっ! あぁああ~~~~~っ。ぼ、僕は・・・。あ、あんな風に誘惑されたらぁ~~~っ」
髪を掻きむしり、真っ赤な顔で涙を流して訴えて続ける。
「・・・あぁ・・・・、どうして・・・。どうして僕は、僕は・・・」
大粒の涙を拭うことなく自分を責め続けていた。
入院する前のハミルの身に何が起こったのか病院側でも把握していた為、若い医師の言葉には説得力があった。
勿論、否定するハミルもまた正しいのだろう。
一週間も男達に陵辱され、強制的に躾けられた身体。
ハミルは、彼自身が意識せずとも被虐が奥深くに染み込み、二度とそこから這い上がることの出来ない状態にいるのだと、そう皆が思ったのは仕方がなかった。
その身体から、もしかしたら普通の男性を狂わせるような何かが醸し出されていたのかも知れないと。
生真面目な医師が、簡単に堕とされてしまったのだから。
診療科の医師のアドバイス等を検討し、ハミルを静かな場所で静養させることに決定した。悪く言えば病院から追い出す訳である。
最初は興奮状態で手が付けられなかった彼もようやく落ち着いてきており、院長の説得で翌日には院長宅へと極秘裏に移動することになった。
院長は若い頃に結婚していたが数十年連れ添った結果、自分には結婚という制度自体が合わないことに気付いて独身に戻っていた。
「我が家は通いの家政婦しか訪れないからな」
不祥事が外にバレないよう、院長自らがハミルを引き受けると皆を説得したのだ。
問題を起こした若い医師には、長期休暇と院長の親戚の女性との見合いが設定された。
病院には結納を済ませた後に復帰することが内々に決まっており、何とか医師の父親の心の葛藤も折合いがついたようである。
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最初の陵辱から4ヶ月が過ぎていた。
身体はすっかり元に戻ったハミルだったが、もう以前と同様の暮らしは出来なかった。
今の彼には大勢の主人が与えられている。
院長宅に移された後も、精神異常ではないものの無意識に被虐の性が現れてはハミルを苦しめ続けていたからだ。
(さて、どうするかな・・・)
ハミルの症状を観察していた院長は、自分の病院から5人の医師を選び出すと彼の相手をするよう指示を出した。
既婚者1人に未婚者3人、独身主義者が1人。
共通してるのは全員好色で隠れホモなことだろう。
公然と若い少年を甚振って遊ぶことが出来るとあってか、不平不満なく楽しんでいるようだった。
週に一度、各々の休みに合わせて順番が回って来ていた。
勿論、毎日顔を合わせる院長が一番目の主人としてハミルの心に刻まれていた。
院長自身もホモで、暇を見つけては秘密倶楽部で遊んでいたのだが、金も掛からず口止めの必要ない相手が出来て毎日上機嫌だった。
惜しむらくは忙しすぎて時間が取れないことだ。
本来ならば自分専属で奉仕させたかったのだが、被虐を覚えたばかりの彼には短時間のセックスは物足りないらしく、毎日自慰を繰り返していた。
「お前が満足するまで、うちの医師たちに相手をしてもらいなさい」
院長も引退前のこの時期に、彼にゆっくり構っている暇はなかった。
半年後には自由の身だからとハミルに言い聞かせ、男達の元へと出掛ける彼を笑顔で見送っている。
5人の相手になって数週間後、不穏な空気にハミルは気付いていた。
今では、彼らは院長に直談判してハミルを2人または3人で犯すようになっており、彼らと会うたびに医師たちの間でコソコソと話し合いが持たれているようなのだ。
身体を執拗に撫でられ、各々が何かを確認していくのが怖かった。
先日、ついに彼らの中の一人から、
「小遣いを稼ぎたくないかい?」
にっこりと、悪びれなくそう聞かれてしまい、ビックリして後退ってしまった。
彼らが何か恐ろしいことを考えている気がして、ハミルは院長に恐る恐る告げてみることにした。
叱ってくれる、そう期待していたのに返ってきた答えは、
「ああ、それなら聞いているな。お前をここから連れ出して5人で所有したいらしい」
穏やかに微笑む院長の姿にガタガタと身体が震え始める。
「お前も慣れてきたようだからな。好きなだけ男を漁って生きられる手助けをしてやりたいそうだ。どうだ、嬉しいか?」
「ひっ・・・。そんな・・・」
あっさり怖いことを言われたショックと、主人だと思っていた院長に捨てられる未来が襲ってきてハミルの身体が床へと屑折れていった。
ガンガンと痛み始めたハミルの脳裏には、かつてのように大勢に凌辱される恐怖と、やっと手に入れた安住の地が消える恐怖が暗雲さながらに立ち込めていく。
(いっ、いやだっ! 嫌だっ、捨てないでっ!)
そこから抜け出す方法そして縋れる人は、この院長しかいなかった。
ハミルに出来るのは、震える指を伸ばして、嫌だ、助けて、と告げるように白衣の裾をギュっと握り締めるしかなかったのだ。
そんなハミルの顔を見ながら院長が笑い出した。
「なんだ、嬉しくないのか? お前も彼らを気に入っているんだろうに。彼らが吟味した相手を連れて来てくれるなら安心じゃないか」
「やっ、いやです! ・・・僕は、僕は、ご主人様だけですっ。彼らは嫌いじゃないけど・・・怖い人もいるし」
そうハミルが言うと院長は更に笑い出した。
「何を言ってるんだ。お前はそれが嬉しいんだろう? こうやって・・・、こう・・・すると・・・」
院長は、ハミルの尿道に逆さに差し込まれているアンティークのマドラーを握ると、勢いよく抜き出してしまった。
「ひぎっいいいいいい~~っ。ひっ、ひぃいいいい~~~~っ。い、いひっ・・・ひぃい・・・。いっ、いぎぃっ、いぎぃいいい~~~っ」
悲鳴を上げるハミルが面白いのか、スポっと抜いたそれを再度ゆっくりと差し込んでいく。
「ほら、お前は誰でもいいんだよ。こうやって、・・・いじめてもらえれば」
ズプっ、グリュっ。
「あぎぃいいいい~~~~っ! はがぁああああああ~~~~~~~っ」
奥まで突き入れた後、強引にマドラーをグルっと回される。
その痛みが気持ちよくて涙が溢れた。
「はあんっ! はぁっ、あはぁ~~んんっ。ご、ご主人、さまぁ~~っ。ぼ、僕は、ご主人様が好きなんで・・・」
ハミルは必死に院長を見つめた。
「ほ、他のひとなんてっ、いらな、いいぎいぃ~~~~~っ」
遊びなさい、と常に差し込まれているマドラーに必死に自分の手を伸ばすと、ゆっくりと回していった。
涙と涎で汚れた顔を晒し、必死に哀願するハミルに対して、彼を見つめる院長は無表情のままマドラーを抜き取った。
それをハミルの口の中へ無造作に突き込んでいく。
躾け通りにマドラーを舐め咥えるハミルの頬に、院長の大きな皺だらけの掌が当てられ、ゆっくりと撫でられていった。
「ふん、引退後の私の元に残るという事は、お前には休む暇など与えられないと理解しているのか」
腫れている唇を指で触り、マドラーを更に奥まで差し込もうとする自分の主人を、ハミルは必死に見つめた。
細長い凶器で咽喉を突かれる恐怖に一瞬息が詰まる。けれど、強引にそれを呑み込んで恭順を示す為に。
フっと笑って院長の指の動きが止まった。
突かれる手前でマドラーが引き抜かれ、ホっとしたハミルは潤んだ瞳で主人を見つめた。
「・・・馬鹿が」
その一言と共にテーブルの上に投げ捨てられるマドラー。
代わりに尿道へと差し込まれた指の動きで、ここに留まることを許されたと知った。
嬉し涙が次から次へと零れ落ちていき、院長の笑いを誘っていた。
▲
「ハミル、雨が上がったようだ。久しぶりにお前の散歩に行くとしようか」
ご主人様からの誘いに、コクっと頷いて窓際まで歩いて行く。
どうしても足取りは重くなり、時間が掛かってしまう。
何故なら尿道には普段使っているより細いマドラーと極細のバイブ付き棒玩具が二本入っているからだ。
そして全身には媚薬と共にある物が入ったローションが塗られている。
身体は中から熱く火照っていた。クーラーが効いている筈の部屋であっても汗と恥液をボタボタと零している。
勃起したペニスからは恥ずかしい淫液が棒の隙間を縫うようにしてチョロチョロと流れ出ていて、その感触が気持ちイイ。
尻穴に注がれた主人の尿は、太いゴム製の張り型で止めらており、内壁に浸み込むほど充満しているのが分かる。
熱と痒さが僕を苦しめ、同時に悦ばせていた。
「ご主人さまぁ~~」
やっと辿り着いてホっとする僕にニヤっと嗤った主人が、手にしていた犬の首輪を僕の首に回した。
カチっと止める音に身体がジーンっと震える。
「ようやく準備していたワンピースに出番が来たな。どうだ、この生地の薄さは? 太陽の下でお前の恥ずかしい格好を皆に見て貰えるぞ。さあ、着替えなさい」
主人が顎で示した先にはテーブルがあり、綺麗な黄色のワンピースとお揃いのパンプスが置いてあった。
ゾクゾクっと背中に何とも言えない震えが走る。
思わず舌で唇を舐めていた。
主人の精液と尿の入った特製ローションを再度全身に塗り直すと、渡された服に着替えた。
それを目でチェックしていく主人が愛おしい。
満足そうに頷いた後、その目がテーブルに置かれたままのパンプスに移った。
「あっ・・・」
ミスに気付いた僕は急いで靴に近付いた。
スカート部分を持ち上げて身体を指で撫で、ローションを掬い取っていく。
そのねっとりと濡れた指を使って靴の中をベタベタとローション塗れにした。
両方の靴底に十分ローションが行き渡ったのを確認すると、最後に床に靴を置いて足を差し込んだ。
その何とも言えない感触にゾクゾクしつつ、もう片方の足も入れると主人を見つめた。
気持ちがいいです、嬉しいですと、伝わるように。
「まあ、良かろう」
頷いた主人は、先に立って歩き出した。
早足の主人に追いつこうと僕も急いで玄関へと向かう。
グチュグチュ、と気持ち悪い音が耳に響いていた。
ワンピースは身体にピッタリ張り付き、華奢な体格とピンと勃起した僕のアレをハッキリと晒し出している。
もしかしたら尿道に差し込まれたマドラーの柄も飾り紐もバレバレかも知れないと、顔が赤く染まるのを感じた。
主人はいつも服を購入する際、黄色のワンピースだけを選んでいるのを知っていた。
不思議に思って訊ねたら、
「お前の為だよ」
含み笑いでそう教えてくれた。
今の僕ならば、その理由もすぐに理解出来た。
出掛ける前も後も、車中や無人の場所に限らず至る場所で、全身を主人が与えるモノで汚すことになるからだ。
赤や青のワンピースならば、染みがハッキリと分かってしまうに違いない。
主人の予定では、深夜になる前に戻って来るという。
今日中に服と靴を庭で焼却しなければならないからだ。
(行く前から汚れてるし、匂いもかなり酷いから当然かな)
興奮が醒めてしまったら、後始末は素早く終えるのが主人の決め事だった。
でも、きっと僕は恐縮しながら満足の一日を振り返るんだろう。
庭での散歩とは違う外出は、僕にとって一大イベントだった。
初めてワンピース姿を人前で晒す。そう考えただけで心地よい興奮が包んでいった。
車中では主人のモノを咥えて奉仕することに徹していた。
人混みの中を歩く時は、服の下の淫らな装飾品を誇るように背筋を伸ばした。
途中で何度も主人に哀願し、脇道や壁の隙間で尻を犯して貰う。
「面倒だ。尻の張り型は取りなさい。・・・こぼして歩くのは大好きだろう?」
言葉と同時に尿道をマドラーと棒玩具の二本を纏めて動かすことで虐めてもらい、嬉し涙を流す頬を主人が撫でてくれた。
甘えるように擦り寄ると、再度マドラーが尿道の奥まで突き入れられた。
主人に差し出されたマスクを装着したせいで声は出せなかったから、せめて目で気持ちを表したかった。
ありがとうございます、と。
分かっている、とでも言うように主人が優しく微笑み、僕の口を掌で軽く押して中の淫棒を更に奥へと突き入れてきた。
「んふっ! ぐぅっ、・・・んんっ。・・・ふぐぅううううっ」
涙がポロポロ零れてきてマスクを濡らし、しょっぱい塩気を感じた。
口内を塞ぐ太いモノで虐められたあと、尻の奥深くへ改めてたっぷり精液を注いで貰った。
そして口内から淫棒を抜くと携帯していた小さなバイブのオモチャに替えて頂いた。
抜き取られた寂しさがすぐに塞がれて、満足感に脚がブルブルと震えてしまう。
屑折れそうな僕を主人が支えてくれた。
そうして気が付けば辺りが暗くなっていた。
「・・・誰も見ないなら意味がないな、外すか」
黒いマスクは僕の羞恥を高める為に付けられており、暗くなったことで誰も気にしないなら確かに意味がなかった。
「さあ、もうすぐ目的地だからな。知人が教えてくれた誰も来ない場所で調教の仕上げだ」
首の後ろにある錠にカチっと鍵が回され、マスクと共に僕の呼吸を妨げていたオモチャが抜かれていく。
「うぅんっぐっ、がはっ・・・。がっ、・・・ぐぅうううう~~っ」
ほんの十数分とはいえ咽喉の奥を塞いでいたモノが急に抜けたことで、いきなり届けられた新鮮な空気に苦しくなった。
それでも暫らくすると、今度は抜けたモノが無い寂寥感に襲われてしまい、思わず主人を見上げて哀願していた。
自分でも淫乱だと思うけれど、もうどうしようもない。
「ははっ。・・・お前は本当に淫乱だな」
もう少し我慢しなさいとでも言うように僕の頬を撫でると、さっさと歩き出されてしまう。
急いでスカート部分の皺を軽く手で伸ばし、飛んでいたパンプスの片方を拾って履くと、見失わないように必死に追った。
見っともないほど皺だらけの服に、犬の首輪を付けた女装少年。
そう自分を卑下しながらも、どこか身体の奥底で熱いモノが込み上げてくるのが分かった。
意識せず微笑んで歩く少年を、通りすがりの若者や中年の男性が目を離せない、というように何度も振り返って見ていた。
▲
長い散歩から戻った僕達は、寝室のベッドの上に居た。
帰宅してすぐにシャワーで流した汗と淫らな汚れは、また僕と主人の身体にまとわりついている。
主人の全身を僕の舌で舐めて濡らし、最後の仕上げに足指も舌で一本ずつ綺麗にしたからだ。
十指全て終えた時には僕の呼吸も絶え絶えだった。
そんな僕に視線が当てられ、急いで息を整えるとゆったり寝転んでいる主人の腰の上に顔を寄せていく。
そこには、僕の身体の奥深くを貫いてくれる凶器の様相を呈した立派なモノがそそり立っていた。
うっとりと見つめてから、徐にそれを口腔へと咥えていった。
先程綺麗にした時よりも格段に大きくなったモノに、自然頬が緩んで仕方がなかった。
そんな僕を見て、主人が指示を出してくる。
「遊んでないでもっと大きくしなさい」
嬉しい言葉に、僕は主人のモノを咥えたまま頷くと本気で奉仕を開始した。
激しく勃起した凶器が咽喉奥を突いてくるけれど、構わずに最奥へと咥え込む。
散歩中の淫棒と違って、本物の重量感は半端なかった。
ズシっと勢いを付けて主人のペニスが咽喉を突いてくる。
頬をへこませ、必死に奥まで犯してもらう。
死にそうな苦しさが気持ち良かった。この痛みが僕に生きている実感を抱かせるのだ。
それは目前の主人だけが与えてくれるものだった。
他の誰も代わりにはならない。
大切な主人の大好きなペニスに犯される日々。
淫乱な僕を、構えない間も愉しませようと色んな道具をプレゼントしてくれる方。
誰に後ろ指を差されようとも、主人との楽園の日々を失うことは出来ない。
ここが僕の生きる場所なのだ。
充分に満足されたのを確認すると、僕は自分の尻穴に膨張した主人のモノを当てがった。
ミシっと音を立てながら穴が強引に開かれていく。
拡張されて慣れているとはいえ、最初の瞬間は激痛が走る。
小さく悲鳴を上げながら、その凶器に自分の体重を預けていった。
「ひぎっ! ・・・は、はぎぃいいいいいい~~~~~っ。ひっ、ひっ、ひぃいい~~っ。ひぃぎいいいいい~~っ!」
主人の根元が大きく拡がった尻穴に当たり、あの長いモノが最後まで全て入ったことを教えてくる。
数秒の静寂を切り裂き、主人が激しく腰を使って僕の中を行き来し始めた。
「はがぁああ、あぐうぅがあぁああああ~~っ。・・・はっ、はぎぃっ! い、いたっ、いたあぁあいぃいい~~~~~っ」
あぁ、痛いのに、どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。
「あっ、あっ、ああああぁ~~~! ・・・は、はぁあ~~んっ! あんっ、あぁんっ! 」
ズボズボと抜き差しされて翻弄される度、僕は喘ぐことしか出来なかった。
「 あぁ、あぁあ~~~~っ。いひぃ、ひいい~~っ、い、いぃっ、いぃいいいいいいいい~~っ!」
腰を捻るようにして打ち込まれて一瞬息が止まりそうになる。
「ひゅ・・・ぎっひぃいいいっ。あがっ、・・・やめっ、あっ、あう~~~~っ。・・・ぅ・・・ひぃっ、は、はぁぐぅうううっ。・・・ひっ、ひぎぃいいっ!!」
やがて小さく呻いた主人が、僕のそこへ大量の精液を注いでくれた。それを放心した状態で受け入れていく。
僕の尻穴に突き入れたまま左腕を伸ばし、ベッドサイドのテーブルの引き出しから、大きくて長いバイブを取り出すのをボ~っと見ていた。
そんな僕に視線を当てた主人が薄く嗤う。
無言の笑みに反応したのだろう、脳が正常に働き始めた。
躾けられた通りに動こうと、主人の意図を察するように身体が無意識に動いていた。
ゆっくりと恐ろしくて愛おしい凶器を自ら抜き出していった。
主人にその様子を楽しんでもらえるよう、ことさら時間を掛けて丁寧に。
尻から零れ落ちた精液が股間を濡らしていく様を見て欲しかった。
擦られる内壁が嬉しさにジンジン疼いていることも伝えたくて。
目を細めて観賞する主人の腕が僕の股間に伸ばされ、勃起したペニスの裏へと回された。
バーベル型のピアスが二本、間隔を開けて貫かれている場所へと。
その二本のピアスが指の腹で何度も回された後、根元を締めているペニスリングに刻まれた文字をじっくりと撫でられて、ビクっと身体が跳ねた。
分厚いリングには『被虐奴隷ハミル』と刻まれ、横に小さく主人の名が刻印されていた。
散歩や特別な調教、生理現象以外は週末にしか完全に外されることはない。
僕のペニスは常に射精を阻まれており、ほんの少しの量を僅かな隙間から流せるだけだった。
一日に3度、オシッコを排泄する為に主人の手で外してもらえる至福。
溜められて濃くなった精液ミルクは、僕の朝食に混ぜられ、スープとして消えていく。
その一杯の為だけの我慢に、僕は毎日発狂しそうになっていた。
けれど、ゴクゴクと美味しそうに飲んで見せることで主人が笑って頭を撫でて下さるから、もうそれだけでいいのだ。
自分からリングで締めて欲しい、と強請ることさえ当然のこと。
今朝もミルクを搾られており、散歩中は外されていたものの射精は許されず、またペニスリングを着けられていた。
だから僕のペニスは既に大量の精液が発射時期を今か今かと待ち侘びているのだ。
ククっと嗤った主人は、ご自分の精液が詰まった僕の尻穴にバイブを嵌め込んだ。
許しが出るまでコレを外されることはない。
主人の与えたモノを吐き出すなんて罰当たりだし、勿体ないから僕も必死に尻穴を締める。
次の奉仕を目で指示され、コクっと頷いた。
緊張と弛緩を繰り返した身体は、尻穴に大量に中出しされて疲労困憊だった。
それでも身体に鞭打つように、ゆっくり反対に捻っていく。
主人の顔に僕の下半身が当たるように。そして僕の口に主人のペニスが当たるように。
毎日、主人が剃ってくれる僕の恥毛の跡を、大きな濡れた舌が隠微に舐めてくれるのを待ち焦がれながら。
やがて与えられたゾクゾク感に僕のペニスは膨れ上がり、主人の顔や頬を何度も何度もピタピタと打ちまくってしまう。
聞こえてくるその音に羞恥し、カアーっと熱を含んで顔が赤らむのが分かった。
誤魔化すように目前の強大なモノを口内に含んでいく。
先端を舌でくすぐり、零れ落ちる淫液を美味しく頂いた。
竿全体を舌で舐め、再度口に含んで上下に動かすと最後まで啜り取る為に大きく口を開く。
必死に奉仕しているのが面白かったのか、僕の身体を少しずらした主人がコンコンと尻穴を塞いでいるバイブの底を叩いた。
その音の響きが気に入ったのか、何度も繰り返して愉しむ主人に、
「ひぐっ!」
大きな悲鳴を上げたけれど、奉仕の口と手を止めることはなかった。
濡れたモノに全ての指の腹を当て、優しく撫でさすって更に大きくしてく。
もうすぐ主人の濃い精液が、そして尿がここから溢れ出すのだ。
次は頭の上から掛けてもらおうと奉仕し続けるハミルは、幸せの真っ只中にいた。
主人(院長)× 輪姦された少年 飲尿、複数人との行為あり
その場所は、普通の人々と特殊な人々が混ざり合って共存していた。
表面しか知らない、あるいは知らないフリが出来る者にとっては、エリアさえ間違わなければ問題なかった。
「すっごく賑やかで楽しいぜ」
「キラキラしてんだよ、もう他とは全然違うんだって」
確かに光と音に溢れており、少し歩けば他人とぶつかりそうになるほど人が混み合っていた。
だが、店と店の間の小道へと一歩足を踏み入れれば、まったく別の印象を受けるに違いない。
光は闇へと変わり、シンっとした静けさは怖がりには堪らない、肝試しさながらの異空間。
かなり先に薄ぼんやり光が見えているが、途中で幽霊か人攫いにでも遭いそうである。
帰宅を急ぐ者は人々の間を早足で通り抜け、その場所を良く知る者たちは用事がない限り決して小道へと入ることはなかった。
そんな不穏な道を恐れることなく歩く男は、ふらふらと身体を揺らしている少年を連れて、更に奥の小道へと進んでいた。
やがて、安定しない少年の身体を押すようにして最奥へ辿り着くと、無理して覗き込まなければ見えない死角に移動してようやく足を止めた。
頭上には、今にも消えかかりそうな街灯が二人を照らしている。
時折、数秒消えては点灯しているから、長時間この場所にいるのは防犯上とても危ういと言えた。
老年に差し掛かる手前の男が声を発することなく動き、少年の頭を掴んで壁と対面させていく。
痛みが走ったのか、うっ、と小さく少年が呻いた。それでも男から逃げる素振りは見せない。
逆に頬を緩めると、男の次の行為を待っているかのように大人しく立っている。
まるで、このあと自分の身を襲うであろう凌辱を待っていると言わんばかりに。
▲
ハミル・パチェリーは主人の大きなモノで尻を貫かれて喘いでいた。
壁に背を当て、主人の広い肩に両足を掛けた不安定な状態が苦しくて堪らない。
身体を支えているのは、僅かに壁にもたれた部分と抜き差しを繰り返す太い杭のみ。
激しい動きに足は今にも肩から落ちそうだった。
一段とピッチを上げる主人の杭の熱さに身体は燃え盛っている。
何も咥えていなければ口から舌を出し、溺れた魚のようにパクパク空気を取り込んでいる筈だ。
残念ながら彼のそこはあるモノで塞がれており、僅かな空気穴からの呼吸が精一杯だった。
この場所に二人が辿り着いた時、外はまだ夕闇だった。そして今は暗闇に包まれている。
「誰も見ないなら意味がないな」
ハミルの羞恥心を煽る為だけの顔の下半分を覆う大きな黒いマスクは一度外されていた。
けれど喘ぎ声が大きいと叱られて再度付けられたそれは、通常ならばある筈の両耳に掛ける紐もなく、一枚の黒い布で出来ていた。
布の端は後頭部で固く結ばれ、開けられた穴を通して金属の小さな錠がついていた。
口の中には、咽喉の奥を突きそうなほど長い異物。
動かないように両方の耳で固定されていても怖いことに変わりなかった。
自分で引き出せないようマスクで押さえ込まれている。
これは主人がハミルの為に外国に特別注文した淫棒で、長さこそ本物の四分の一程度であったが、太さも質感も忠実に再現されていた。
思いがけない主人からの誕生祝いで、嬉しいだろう、と見せられた時は正直怖気づいてしまった。
さすがに窒息死を免れる空気穴が作られていて、鼻呼吸すれば装着可能だ、と言われれば受け取らない訳にもいかない。
ただ、最初の数日は慣れることが出来ず、もがき苦しんだり数回の失神を経験している。
この一月近くの調教科目として、毎日一時間、長いと数時間の装着が義務付けられて、ようやく呼吸が出来るようになっていた。
今では僅かな時間で咽喉近く入れることが可能になり、主人も偉いぞ、と頭を撫でて下さった。
外出先で使うのは今夜の散歩が初めてでドキドキだったけれど、視界に入る度に、装着される毎に、今ではハミルの心と身体を悦びに震わせる大切なモノとなっていた。
残念ながら、一緒にプレゼントしてもらった尻穴専用のバイブは屋敷に置いてきていた。
こちらも細部まで主人のモノを忠実に模した縮小版で、大粒の真珠が先端の少し下に幅広く埋め込まれてある。
「お前には、これが一番嬉しいかな」
大粒の真珠を触りながら主人が耳元に囁いてきて、恐怖と興奮に身体を震わせたのを覚えている。
黒いマスクの下に隠した淫猥な道具を咥え込み、何食わぬ顔で外を歩くことはハミルにとって羞恥を覚えると同時に興奮の極みだった。
女顔だと言われて、クローゼットに用意されている服はワンピースばかり。
装飾品や小物も全て女性用が準備されていた。
今回は、そこから主人が選んだものを着ているのだが、足元に外気が入り込んできて何だか心許なくて堪らない。
首には本物の犬用首輪が嵌められており、明るい光の下ですれ違えば怪しい人物に見えることだろう。
下着は一切許されず常に全裸で過ごすハミルにとって、服を着ている現状の方が遥かに恥ずかしかった。
涙ぐんでいる姿を主人が面白そうに見ていることに気付くと、余計に頬が赤くなるのだった。
▲
ただの普通の少年だったのに、何故こんなことになったのか。
それは、ハミルの浅はかな行動の結果だった。
ある日、兄と喧嘩して互いに一歩も引かなかったことで、短期なハミルの方が家を飛び出したのだ。
プチ家出のつもりで仲の良かった近所の小母さん宅の呼び鈴を押した。
こうやって転がり込むのは日常茶飯事だったので、ここまでは家族にもバレていたと思う。
初めは何の問題もなく、テレビドラマやワイドショーを観ながら優しい小母さんとお喋りし、心が癒されていた。
そこへ酒癖の悪い元亭主がやって来て暴力を振るわれるまでは。
怒鳴られ、足で蹴られて、追い出されたのが悪夢の始まり。
いや、その時に家に戻れば良かったのだ。
兄に謝ってリビングで過ごせば、そのうち普段と変わらぬ日常に戻れただろう。
そうするべきだったのに。
(プチとはいえ家出なんだから、あと数日は帰らないぞ)
馬鹿な意地の所為で近所をウロウロと動き回っていた。
そこを元亭主である暴力男に見つかってしまったのが運の尽き。
酒の抜けてないその男は、ハミルをもう一度殴り付けると、性質の悪い友人を呼び出して引き渡してしまったのだ。
何処かの廃屋に連れ込まれた時、ハミルには何が行われるのかハッキリとは分かっていなかった。
精々、この男に殴られたり罵倒されたり、あるいは流血や骨折する可能性ぐらいしか想像出来なかった。
まさか自分がセックスの対象になるなんて微塵も思い至らず、ましてや男が同性をレイプして屈伏させることを喜ぶ変態だなんて思うはずもない。
暴力男に殴られたショックが消えないまま次の男に床に蹴り落され、背中から押さえ付けられてもハミルは何の抵抗もしなかった。
与えられる痛みを我慢していれば、いつかは相手の気も治まって逃げる隙が出てくると考えていたからだ。
すぐに腕っぷしの強そうな男がハミルの腰を跨ぐように乗っかって来た。
(ああ、始まる・・・。きっと痛いよね。ううっ、いやだっ、痛いのやだよっ)
覚悟を決めても怖い、と怯える視線の先で男の手が伸びて来た。
そう、ハミルは気付いていなかった。
このあと与えられる別の恐怖が、一生自分をどん底へと導く手始めに過ぎなかったことを。
男がようやく満足したのは、ボロ雑巾のように床に投げ出されたハミルが動かなくなってからだった。
自分の身に起こったことが信じられず、激痛と恐怖に涙を溢し続けていた。
(痛いよっ、痛いよ兄さんっ! ・・・助けてっ・・・)
それでも心の中で、これで自由になれる、それだけを祈っていたのに。
ハミルの不幸はまだ終わっていなかった。
隠れていたのだろう、廃屋に住み込んでいた十数人がゾロゾロと現れたのだ。
ゆっくりと離れて行く男に誰もが無言だった。強姦魔だと、犯罪だと糾弾する者は一人も居ない。
それどころか全員が笑いながらハミルへと手を伸ばしていく。
気配だけは感じていても指一本動かせないハミルは、その後一週間近くそこに捕らわれたまま、休む暇なく犯され続けた。
最後の日、汗や体液にまみれた汚い身体に唾を掛けられて、蹴り出されながら道に捨てられてしまうまで。
▲
意識を取り戻したのは病院だった。
誰かが通報してくれたのだろう、救急車に乗せられて来たと教えられた。
病室を訪れた院長は、警察からの報告や検査結果から大体の状況を把握していたのだろう。
ハミルに慰めの言葉を掛けることなく、生きてくれ、と命の大切さを説いてきた。
(何でだよっ・・・。何で、そんなことっ、言われなきゃならないんだよっ)
誰でもいいから殴りたかったし、泣き喚きたかった。
出来れば家に戻って、部屋に一生閉じこもっていたかった。
それでも、そのどれも出来なかった。暴力は嫌いだし、人なんて殴れない。
男なのに男に凌辱されたなんて、誰にも知られたくなかった。
(しかも・・・、お、大勢の男にっ、無抵抗で一週間も・・・なんてっ・・・)
ハミルは身体をブルブルと震わせて嗚咽を洩らした。
名前は教えても、家族の名前も住所も言わないハミルに、最初は誰もが同情的だった。
人道的な観点から極秘扱いで治療を施されることになり、一般病棟から特別病棟に移されていた。
その頃にはハミルの素性は警察によって詳細に調べられており、周囲の住人から聞き出した情報で輪姦を行った全員が捕まっていた。
何が起こったのか知らされた家族は一度は接触を試みたものの、今はまだ無理だという院長の説得に応じて時間を置くことにしたようだ。
ただ、引っ越しはせざるを得ず、その場所も院長と警察だけに知らされているという。
心に深い傷跡を残しながらも、治癒力の高い若い身体は徐々に治り始め、しばらくすると歩けるようになった。
それでも採血や簡単な脈拍を測るのさえ嫌がり、病院は看護師ではなく医師になったばかりの青年をハミル専属で付けることに決めた。
辛い目に遭った患者に配慮した結果だった。
その好意が、ハミルと若い医師の両方に不幸な結果を招いてしまうことになるなんて誰が思うだろうか。
暫くは、互いに距離を取っていたものの、やがてハミルの方が諦めたのか医師に慣れ始めた。
そんな頃、それは起こった。
若い医師が突然ハミルに襲い掛かり、強引に身体を結ぼうとしたのだ。
院内でも口の堅い医師が集められ、緊急の被害者ケアについて話し合いが持たれた。
注視されたのは、若い医師の釈明だった。
彼は副院長の三男で、小さな頃からこの病院の待合室で皆の邪魔にならないよう遊んだり勉強に励んでいた。
常連の通院者にも評判が良く、将来を見込まれている。
大学生になっても医師を目指して勉学に励んだ生真面目で硬い男であり、この病院の誰もが彼のことを知っていて好意を抱いているのだ。
その医師が必死に訴えてきたのだ。
「彼が僕を誘惑したんです! 僕は、僕は必死に抵抗したんですっ! 信じてっ、信じて下さいっ」
宥める医師達の言葉も聞こえないのか、
「ああっ! あぁああ~~~~~っ。ぼ、僕は・・・。あ、あんな風に誘惑されたらぁ~~~っ」
髪を掻きむしり、真っ赤な顔で涙を流して訴えて続ける。
「・・・あぁ・・・・、どうして・・・。どうして僕は、僕は・・・」
大粒の涙を拭うことなく自分を責め続けていた。
入院する前のハミルの身に何が起こったのか病院側でも把握していた為、若い医師の言葉には説得力があった。
勿論、否定するハミルもまた正しいのだろう。
一週間も男達に陵辱され、強制的に躾けられた身体。
ハミルは、彼自身が意識せずとも被虐が奥深くに染み込み、二度とそこから這い上がることの出来ない状態にいるのだと、そう皆が思ったのは仕方がなかった。
その身体から、もしかしたら普通の男性を狂わせるような何かが醸し出されていたのかも知れないと。
生真面目な医師が、簡単に堕とされてしまったのだから。
診療科の医師のアドバイス等を検討し、ハミルを静かな場所で静養させることに決定した。悪く言えば病院から追い出す訳である。
最初は興奮状態で手が付けられなかった彼もようやく落ち着いてきており、院長の説得で翌日には院長宅へと極秘裏に移動することになった。
院長は若い頃に結婚していたが数十年連れ添った結果、自分には結婚という制度自体が合わないことに気付いて独身に戻っていた。
「我が家は通いの家政婦しか訪れないからな」
不祥事が外にバレないよう、院長自らがハミルを引き受けると皆を説得したのだ。
問題を起こした若い医師には、長期休暇と院長の親戚の女性との見合いが設定された。
病院には結納を済ませた後に復帰することが内々に決まっており、何とか医師の父親の心の葛藤も折合いがついたようである。
▲
最初の陵辱から4ヶ月が過ぎていた。
身体はすっかり元に戻ったハミルだったが、もう以前と同様の暮らしは出来なかった。
今の彼には大勢の主人が与えられている。
院長宅に移された後も、精神異常ではないものの無意識に被虐の性が現れてはハミルを苦しめ続けていたからだ。
(さて、どうするかな・・・)
ハミルの症状を観察していた院長は、自分の病院から5人の医師を選び出すと彼の相手をするよう指示を出した。
既婚者1人に未婚者3人、独身主義者が1人。
共通してるのは全員好色で隠れホモなことだろう。
公然と若い少年を甚振って遊ぶことが出来るとあってか、不平不満なく楽しんでいるようだった。
週に一度、各々の休みに合わせて順番が回って来ていた。
勿論、毎日顔を合わせる院長が一番目の主人としてハミルの心に刻まれていた。
院長自身もホモで、暇を見つけては秘密倶楽部で遊んでいたのだが、金も掛からず口止めの必要ない相手が出来て毎日上機嫌だった。
惜しむらくは忙しすぎて時間が取れないことだ。
本来ならば自分専属で奉仕させたかったのだが、被虐を覚えたばかりの彼には短時間のセックスは物足りないらしく、毎日自慰を繰り返していた。
「お前が満足するまで、うちの医師たちに相手をしてもらいなさい」
院長も引退前のこの時期に、彼にゆっくり構っている暇はなかった。
半年後には自由の身だからとハミルに言い聞かせ、男達の元へと出掛ける彼を笑顔で見送っている。
5人の相手になって数週間後、不穏な空気にハミルは気付いていた。
今では、彼らは院長に直談判してハミルを2人または3人で犯すようになっており、彼らと会うたびに医師たちの間でコソコソと話し合いが持たれているようなのだ。
身体を執拗に撫でられ、各々が何かを確認していくのが怖かった。
先日、ついに彼らの中の一人から、
「小遣いを稼ぎたくないかい?」
にっこりと、悪びれなくそう聞かれてしまい、ビックリして後退ってしまった。
彼らが何か恐ろしいことを考えている気がして、ハミルは院長に恐る恐る告げてみることにした。
叱ってくれる、そう期待していたのに返ってきた答えは、
「ああ、それなら聞いているな。お前をここから連れ出して5人で所有したいらしい」
穏やかに微笑む院長の姿にガタガタと身体が震え始める。
「お前も慣れてきたようだからな。好きなだけ男を漁って生きられる手助けをしてやりたいそうだ。どうだ、嬉しいか?」
「ひっ・・・。そんな・・・」
あっさり怖いことを言われたショックと、主人だと思っていた院長に捨てられる未来が襲ってきてハミルの身体が床へと屑折れていった。
ガンガンと痛み始めたハミルの脳裏には、かつてのように大勢に凌辱される恐怖と、やっと手に入れた安住の地が消える恐怖が暗雲さながらに立ち込めていく。
(いっ、いやだっ! 嫌だっ、捨てないでっ!)
そこから抜け出す方法そして縋れる人は、この院長しかいなかった。
ハミルに出来るのは、震える指を伸ばして、嫌だ、助けて、と告げるように白衣の裾をギュっと握り締めるしかなかったのだ。
そんなハミルの顔を見ながら院長が笑い出した。
「なんだ、嬉しくないのか? お前も彼らを気に入っているんだろうに。彼らが吟味した相手を連れて来てくれるなら安心じゃないか」
「やっ、いやです! ・・・僕は、僕は、ご主人様だけですっ。彼らは嫌いじゃないけど・・・怖い人もいるし」
そうハミルが言うと院長は更に笑い出した。
「何を言ってるんだ。お前はそれが嬉しいんだろう? こうやって・・・、こう・・・すると・・・」
院長は、ハミルの尿道に逆さに差し込まれているアンティークのマドラーを握ると、勢いよく抜き出してしまった。
「ひぎっいいいいいい~~っ。ひっ、ひぃいいいい~~~~っ。い、いひっ・・・ひぃい・・・。いっ、いぎぃっ、いぎぃいいい~~~っ」
悲鳴を上げるハミルが面白いのか、スポっと抜いたそれを再度ゆっくりと差し込んでいく。
「ほら、お前は誰でもいいんだよ。こうやって、・・・いじめてもらえれば」
ズプっ、グリュっ。
「あぎぃいいいい~~~~っ! はがぁああああああ~~~~~~~っ」
奥まで突き入れた後、強引にマドラーをグルっと回される。
その痛みが気持ちよくて涙が溢れた。
「はあんっ! はぁっ、あはぁ~~んんっ。ご、ご主人、さまぁ~~っ。ぼ、僕は、ご主人様が好きなんで・・・」
ハミルは必死に院長を見つめた。
「ほ、他のひとなんてっ、いらな、いいぎいぃ~~~~~っ」
遊びなさい、と常に差し込まれているマドラーに必死に自分の手を伸ばすと、ゆっくりと回していった。
涙と涎で汚れた顔を晒し、必死に哀願するハミルに対して、彼を見つめる院長は無表情のままマドラーを抜き取った。
それをハミルの口の中へ無造作に突き込んでいく。
躾け通りにマドラーを舐め咥えるハミルの頬に、院長の大きな皺だらけの掌が当てられ、ゆっくりと撫でられていった。
「ふん、引退後の私の元に残るという事は、お前には休む暇など与えられないと理解しているのか」
腫れている唇を指で触り、マドラーを更に奥まで差し込もうとする自分の主人を、ハミルは必死に見つめた。
細長い凶器で咽喉を突かれる恐怖に一瞬息が詰まる。けれど、強引にそれを呑み込んで恭順を示す為に。
フっと笑って院長の指の動きが止まった。
突かれる手前でマドラーが引き抜かれ、ホっとしたハミルは潤んだ瞳で主人を見つめた。
「・・・馬鹿が」
その一言と共にテーブルの上に投げ捨てられるマドラー。
代わりに尿道へと差し込まれた指の動きで、ここに留まることを許されたと知った。
嬉し涙が次から次へと零れ落ちていき、院長の笑いを誘っていた。
▲
「ハミル、雨が上がったようだ。久しぶりにお前の散歩に行くとしようか」
ご主人様からの誘いに、コクっと頷いて窓際まで歩いて行く。
どうしても足取りは重くなり、時間が掛かってしまう。
何故なら尿道には普段使っているより細いマドラーと極細のバイブ付き棒玩具が二本入っているからだ。
そして全身には媚薬と共にある物が入ったローションが塗られている。
身体は中から熱く火照っていた。クーラーが効いている筈の部屋であっても汗と恥液をボタボタと零している。
勃起したペニスからは恥ずかしい淫液が棒の隙間を縫うようにしてチョロチョロと流れ出ていて、その感触が気持ちイイ。
尻穴に注がれた主人の尿は、太いゴム製の張り型で止めらており、内壁に浸み込むほど充満しているのが分かる。
熱と痒さが僕を苦しめ、同時に悦ばせていた。
「ご主人さまぁ~~」
やっと辿り着いてホっとする僕にニヤっと嗤った主人が、手にしていた犬の首輪を僕の首に回した。
カチっと止める音に身体がジーンっと震える。
「ようやく準備していたワンピースに出番が来たな。どうだ、この生地の薄さは? 太陽の下でお前の恥ずかしい格好を皆に見て貰えるぞ。さあ、着替えなさい」
主人が顎で示した先にはテーブルがあり、綺麗な黄色のワンピースとお揃いのパンプスが置いてあった。
ゾクゾクっと背中に何とも言えない震えが走る。
思わず舌で唇を舐めていた。
主人の精液と尿の入った特製ローションを再度全身に塗り直すと、渡された服に着替えた。
それを目でチェックしていく主人が愛おしい。
満足そうに頷いた後、その目がテーブルに置かれたままのパンプスに移った。
「あっ・・・」
ミスに気付いた僕は急いで靴に近付いた。
スカート部分を持ち上げて身体を指で撫で、ローションを掬い取っていく。
そのねっとりと濡れた指を使って靴の中をベタベタとローション塗れにした。
両方の靴底に十分ローションが行き渡ったのを確認すると、最後に床に靴を置いて足を差し込んだ。
その何とも言えない感触にゾクゾクしつつ、もう片方の足も入れると主人を見つめた。
気持ちがいいです、嬉しいですと、伝わるように。
「まあ、良かろう」
頷いた主人は、先に立って歩き出した。
早足の主人に追いつこうと僕も急いで玄関へと向かう。
グチュグチュ、と気持ち悪い音が耳に響いていた。
ワンピースは身体にピッタリ張り付き、華奢な体格とピンと勃起した僕のアレをハッキリと晒し出している。
もしかしたら尿道に差し込まれたマドラーの柄も飾り紐もバレバレかも知れないと、顔が赤く染まるのを感じた。
主人はいつも服を購入する際、黄色のワンピースだけを選んでいるのを知っていた。
不思議に思って訊ねたら、
「お前の為だよ」
含み笑いでそう教えてくれた。
今の僕ならば、その理由もすぐに理解出来た。
出掛ける前も後も、車中や無人の場所に限らず至る場所で、全身を主人が与えるモノで汚すことになるからだ。
赤や青のワンピースならば、染みがハッキリと分かってしまうに違いない。
主人の予定では、深夜になる前に戻って来るという。
今日中に服と靴を庭で焼却しなければならないからだ。
(行く前から汚れてるし、匂いもかなり酷いから当然かな)
興奮が醒めてしまったら、後始末は素早く終えるのが主人の決め事だった。
でも、きっと僕は恐縮しながら満足の一日を振り返るんだろう。
庭での散歩とは違う外出は、僕にとって一大イベントだった。
初めてワンピース姿を人前で晒す。そう考えただけで心地よい興奮が包んでいった。
車中では主人のモノを咥えて奉仕することに徹していた。
人混みの中を歩く時は、服の下の淫らな装飾品を誇るように背筋を伸ばした。
途中で何度も主人に哀願し、脇道や壁の隙間で尻を犯して貰う。
「面倒だ。尻の張り型は取りなさい。・・・こぼして歩くのは大好きだろう?」
言葉と同時に尿道をマドラーと棒玩具の二本を纏めて動かすことで虐めてもらい、嬉し涙を流す頬を主人が撫でてくれた。
甘えるように擦り寄ると、再度マドラーが尿道の奥まで突き入れられた。
主人に差し出されたマスクを装着したせいで声は出せなかったから、せめて目で気持ちを表したかった。
ありがとうございます、と。
分かっている、とでも言うように主人が優しく微笑み、僕の口を掌で軽く押して中の淫棒を更に奥へと突き入れてきた。
「んふっ! ぐぅっ、・・・んんっ。・・・ふぐぅううううっ」
涙がポロポロ零れてきてマスクを濡らし、しょっぱい塩気を感じた。
口内を塞ぐ太いモノで虐められたあと、尻の奥深くへ改めてたっぷり精液を注いで貰った。
そして口内から淫棒を抜くと携帯していた小さなバイブのオモチャに替えて頂いた。
抜き取られた寂しさがすぐに塞がれて、満足感に脚がブルブルと震えてしまう。
屑折れそうな僕を主人が支えてくれた。
そうして気が付けば辺りが暗くなっていた。
「・・・誰も見ないなら意味がないな、外すか」
黒いマスクは僕の羞恥を高める為に付けられており、暗くなったことで誰も気にしないなら確かに意味がなかった。
「さあ、もうすぐ目的地だからな。知人が教えてくれた誰も来ない場所で調教の仕上げだ」
首の後ろにある錠にカチっと鍵が回され、マスクと共に僕の呼吸を妨げていたオモチャが抜かれていく。
「うぅんっぐっ、がはっ・・・。がっ、・・・ぐぅうううう~~っ」
ほんの十数分とはいえ咽喉の奥を塞いでいたモノが急に抜けたことで、いきなり届けられた新鮮な空気に苦しくなった。
それでも暫らくすると、今度は抜けたモノが無い寂寥感に襲われてしまい、思わず主人を見上げて哀願していた。
自分でも淫乱だと思うけれど、もうどうしようもない。
「ははっ。・・・お前は本当に淫乱だな」
もう少し我慢しなさいとでも言うように僕の頬を撫でると、さっさと歩き出されてしまう。
急いでスカート部分の皺を軽く手で伸ばし、飛んでいたパンプスの片方を拾って履くと、見失わないように必死に追った。
見っともないほど皺だらけの服に、犬の首輪を付けた女装少年。
そう自分を卑下しながらも、どこか身体の奥底で熱いモノが込み上げてくるのが分かった。
意識せず微笑んで歩く少年を、通りすがりの若者や中年の男性が目を離せない、というように何度も振り返って見ていた。
▲
長い散歩から戻った僕達は、寝室のベッドの上に居た。
帰宅してすぐにシャワーで流した汗と淫らな汚れは、また僕と主人の身体にまとわりついている。
主人の全身を僕の舌で舐めて濡らし、最後の仕上げに足指も舌で一本ずつ綺麗にしたからだ。
十指全て終えた時には僕の呼吸も絶え絶えだった。
そんな僕に視線が当てられ、急いで息を整えるとゆったり寝転んでいる主人の腰の上に顔を寄せていく。
そこには、僕の身体の奥深くを貫いてくれる凶器の様相を呈した立派なモノがそそり立っていた。
うっとりと見つめてから、徐にそれを口腔へと咥えていった。
先程綺麗にした時よりも格段に大きくなったモノに、自然頬が緩んで仕方がなかった。
そんな僕を見て、主人が指示を出してくる。
「遊んでないでもっと大きくしなさい」
嬉しい言葉に、僕は主人のモノを咥えたまま頷くと本気で奉仕を開始した。
激しく勃起した凶器が咽喉奥を突いてくるけれど、構わずに最奥へと咥え込む。
散歩中の淫棒と違って、本物の重量感は半端なかった。
ズシっと勢いを付けて主人のペニスが咽喉を突いてくる。
頬をへこませ、必死に奥まで犯してもらう。
死にそうな苦しさが気持ち良かった。この痛みが僕に生きている実感を抱かせるのだ。
それは目前の主人だけが与えてくれるものだった。
他の誰も代わりにはならない。
大切な主人の大好きなペニスに犯される日々。
淫乱な僕を、構えない間も愉しませようと色んな道具をプレゼントしてくれる方。
誰に後ろ指を差されようとも、主人との楽園の日々を失うことは出来ない。
ここが僕の生きる場所なのだ。
充分に満足されたのを確認すると、僕は自分の尻穴に膨張した主人のモノを当てがった。
ミシっと音を立てながら穴が強引に開かれていく。
拡張されて慣れているとはいえ、最初の瞬間は激痛が走る。
小さく悲鳴を上げながら、その凶器に自分の体重を預けていった。
「ひぎっ! ・・・は、はぎぃいいいいいい~~~~~っ。ひっ、ひっ、ひぃいい~~っ。ひぃぎいいいいい~~っ!」
主人の根元が大きく拡がった尻穴に当たり、あの長いモノが最後まで全て入ったことを教えてくる。
数秒の静寂を切り裂き、主人が激しく腰を使って僕の中を行き来し始めた。
「はがぁああ、あぐうぅがあぁああああ~~っ。・・・はっ、はぎぃっ! い、いたっ、いたあぁあいぃいい~~~~~っ」
あぁ、痛いのに、どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。
「あっ、あっ、ああああぁ~~~! ・・・は、はぁあ~~んっ! あんっ、あぁんっ! 」
ズボズボと抜き差しされて翻弄される度、僕は喘ぐことしか出来なかった。
「 あぁ、あぁあ~~~~っ。いひぃ、ひいい~~っ、い、いぃっ、いぃいいいいいいいい~~っ!」
腰を捻るようにして打ち込まれて一瞬息が止まりそうになる。
「ひゅ・・・ぎっひぃいいいっ。あがっ、・・・やめっ、あっ、あう~~~~っ。・・・ぅ・・・ひぃっ、は、はぁぐぅうううっ。・・・ひっ、ひぎぃいいっ!!」
やがて小さく呻いた主人が、僕のそこへ大量の精液を注いでくれた。それを放心した状態で受け入れていく。
僕の尻穴に突き入れたまま左腕を伸ばし、ベッドサイドのテーブルの引き出しから、大きくて長いバイブを取り出すのをボ~っと見ていた。
そんな僕に視線を当てた主人が薄く嗤う。
無言の笑みに反応したのだろう、脳が正常に働き始めた。
躾けられた通りに動こうと、主人の意図を察するように身体が無意識に動いていた。
ゆっくりと恐ろしくて愛おしい凶器を自ら抜き出していった。
主人にその様子を楽しんでもらえるよう、ことさら時間を掛けて丁寧に。
尻から零れ落ちた精液が股間を濡らしていく様を見て欲しかった。
擦られる内壁が嬉しさにジンジン疼いていることも伝えたくて。
目を細めて観賞する主人の腕が僕の股間に伸ばされ、勃起したペニスの裏へと回された。
バーベル型のピアスが二本、間隔を開けて貫かれている場所へと。
その二本のピアスが指の腹で何度も回された後、根元を締めているペニスリングに刻まれた文字をじっくりと撫でられて、ビクっと身体が跳ねた。
分厚いリングには『被虐奴隷ハミル』と刻まれ、横に小さく主人の名が刻印されていた。
散歩や特別な調教、生理現象以外は週末にしか完全に外されることはない。
僕のペニスは常に射精を阻まれており、ほんの少しの量を僅かな隙間から流せるだけだった。
一日に3度、オシッコを排泄する為に主人の手で外してもらえる至福。
溜められて濃くなった精液ミルクは、僕の朝食に混ぜられ、スープとして消えていく。
その一杯の為だけの我慢に、僕は毎日発狂しそうになっていた。
けれど、ゴクゴクと美味しそうに飲んで見せることで主人が笑って頭を撫でて下さるから、もうそれだけでいいのだ。
自分からリングで締めて欲しい、と強請ることさえ当然のこと。
今朝もミルクを搾られており、散歩中は外されていたものの射精は許されず、またペニスリングを着けられていた。
だから僕のペニスは既に大量の精液が発射時期を今か今かと待ち侘びているのだ。
ククっと嗤った主人は、ご自分の精液が詰まった僕の尻穴にバイブを嵌め込んだ。
許しが出るまでコレを外されることはない。
主人の与えたモノを吐き出すなんて罰当たりだし、勿体ないから僕も必死に尻穴を締める。
次の奉仕を目で指示され、コクっと頷いた。
緊張と弛緩を繰り返した身体は、尻穴に大量に中出しされて疲労困憊だった。
それでも身体に鞭打つように、ゆっくり反対に捻っていく。
主人の顔に僕の下半身が当たるように。そして僕の口に主人のペニスが当たるように。
毎日、主人が剃ってくれる僕の恥毛の跡を、大きな濡れた舌が隠微に舐めてくれるのを待ち焦がれながら。
やがて与えられたゾクゾク感に僕のペニスは膨れ上がり、主人の顔や頬を何度も何度もピタピタと打ちまくってしまう。
聞こえてくるその音に羞恥し、カアーっと熱を含んで顔が赤らむのが分かった。
誤魔化すように目前の強大なモノを口内に含んでいく。
先端を舌でくすぐり、零れ落ちる淫液を美味しく頂いた。
竿全体を舌で舐め、再度口に含んで上下に動かすと最後まで啜り取る為に大きく口を開く。
必死に奉仕しているのが面白かったのか、僕の身体を少しずらした主人がコンコンと尻穴を塞いでいるバイブの底を叩いた。
その音の響きが気に入ったのか、何度も繰り返して愉しむ主人に、
「ひぐっ!」
大きな悲鳴を上げたけれど、奉仕の口と手を止めることはなかった。
濡れたモノに全ての指の腹を当て、優しく撫でさすって更に大きくしてく。
もうすぐ主人の濃い精液が、そして尿がここから溢れ出すのだ。
次は頭の上から掛けてもらおうと奉仕し続けるハミルは、幸せの真っ只中にいた。
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