【 深紅の日々(壱)】 初出-2009.07.12

攫われた少女が奉仕奴隷として調教され異国の地を踏むまでの話。 まだソフト描写(当サイト比)。


私には三人の兄がいた。
長兄は既に成人しており、順調に出世の階段を昇っているという。
今のポストは部長補佐だ、と両親は親戚に自慢して喜んでいる。
双子の次男と三男は海外に留学中で、残念ながらこっちに戻って生活する気配は全く無かった。
だが、父も長兄も、二人は移住するんじゃないかと冗談で笑い合うほどにその件に関しては淡白だった。

六人家族が四人になって寂しい、そう感じていたというのに、ある日、長兄がこう発言した。
「今度、仕事の都合で家を出ることになった」
それを聞いた父母はあっさり承諾すると、また昇進かと嬉しそうに視線を交し始めた。
私はといえば、そんな父母と長兄の間をうろうろするしか出来なかった。
長兄が偉い地位に付くのは何となく分かったけれど、何も家を出る必要など無いのにと悲しくなったのだ。
でも、そんな事を言って長兄に嫌われるのは嫌だった。
ただでさえ甘えん坊だと家族中から笑って揶揄われていたからだ。
何も言えないまま順調に流れていく毎日。
日常が変わってしまう、そんな漠然とした不安を感じながらも、両親や長兄の前に立つと言葉が出て来なかった。
まだ小三の私には長兄を止めるだけの力はなかったのだ。

一か月もしないうちに長兄は家を出てしまった。
隣県とはいえ殆ど実家に戻らない日々が数年続いた後、ちょっとだけ勝気そうな女性を連れて結婚報告に訪れた。
忙しい父に代わって男親のような役割を果たしてくれた長兄が、完全に私から離れた瞬間だった。
やがて、男女の双子が産まれると両親は初孫の顔を見に毎週末泊り込むようになり、家を空けることが多くなっていった。
兄嫁の両親は海外暮らしで、姑である母を頼りにしてくれるらしい。
嬉しそうな両親が手を振って出掛けて行く。
さすがに中学に上がった年で赤ん坊に嫉妬するのも気まずく、何でもない振りで日々を過ごしていた。

高校二年になった春のことだ。ようやく兄二人が実家に戻って来てくれた。
「年を取ったのかしら。最近、とっても疲れるのよね」
両親も出掛けることが減り、その代わりに兄嫁が可愛い双子を連れて訪ねて来るようになっていた。
その愛らしさと兄達の存在に、私の心も次第に穏やかになっていく。
何不自由ない暮らし。優しい両親と二人の兄に甘やかされ、家でも学校でも何の問題も無かった。

秋が近づいた頃、次男の隆(たかし)兄さんが私に得意そうに告げた。
「知人が開くパーティーに連れて行ってやるよ。男性全員が会社役員の高給取りばかりだぞ」
笑って揶揄ってくるのに私も笑った。
実際には、兄自身が金持ちの友人に無理に誘われて困っていたらしい。
「そんな場所に連れて行ける女性など居ないんだよなぁ」
兄の事情はともかく、パ-ティ初心者の高校生でいいのか一応聞いてみることにした。
「ある事業の資金集めに開かれる会なんだってさ。で、若者が極端に少ないらしい」
新聞や会報に載せるのに世代差が大きいのはよろしくない、という事のようだ。
「大学生に化けて出席すればいいさ」
ニヤニヤ笑いながらそう言ったのは、三男の雅司(まさし)兄さんだ。
本当に大丈夫なのか良く分からなかったけれど、何事も挑戦だと連れて行ってもらうことにした。
まさかそれが、あんな事になるなんて。
下手に好奇心など持たなければ、私は今頃、普通の奥さんとして両親のように幸せに暮らしていたかもしれない。



人数合わせの一人なら気楽かな、と出掛けたというのに、私のように不慣れでオドオドした者は一人も居なかった。
ほんの数分経ったところで、人の多さや特権階級の持つ独特の雰囲気に呑まれ、上手く息が吐けなくなってしまう。
新鮮な空気が吸いたくて、ちょっと抜け出すことを教えようと兄を探すけれど見つからなかった。
(・・・どうしよう・・・)
勝手に居なくなるのはマズいと思ったけれど、息苦しさはずっと続いていた。
仕方ない、数分だけ新鮮な空気を吸ってこよう、とテラスから庭へと降りて行くことにした。
ガヤガヤと賑やかな声が響く個人邸とは思えない大きさと広さの屋敷を見上げると、自然にハアっと溜息が零れていく。
慣れないハイヒールを脱いで両手に持つと、裸足のまま噴水の傍にある洒落たガラスの西洋テーブルへと向かった。
「誰もいないわ。良かった」
テーブルの下に屈み込むと地面に靴を揃えて置いた。
やっと座れるわ、と椅子の背を持って引こうとした瞬間、背後から誰かの手が伸びてきて口を布で塞がれてしまう。
目を見開き、咄嗟に上半身を激しく揺らして抵抗したけれど、徐々に身体が屑折れていくのが自分でも分かった。
背後の誰かが大きな手と腕でしっかりと抱き止めてくれる。
そこから先は目覚めるまで何も記憶に残っていない。

寒さを感じたのだろうか。目を開く前に小さく震えた私は両手で自分を抱き締めていた。
ゆっくりと瞼を開けて視界に映るものを眺めていく。そしてそこが危険な場所だと本能で察知したのだろう、飛び起きていた。
私が座っていたのはベッドであり、自分が全裸で薄暗い地下の牢獄に入っていることを、ドラマでしか見たことのない鉄格子によって知った。
怯えながらも周りを見渡すと、同じような牢の中に何人もの女性が全裸で蹲っており、泣いたり、助けてっと大声で叫んでいた。
慌てて自分の牢の中を確認してみると、ボロ布と簡易ベッド、汚い便器が視界に入った。
強張る腕を伸ばしてボロ布を取ると、恐る恐る身体に巻き付けていく。
不潔な布であってもそんな場合じゃないと悟っていた。
誰に攫われたかは不明でも、この状態が何を表しているのか気付けないほど子供でもなかった。

どうしよう、どうしたらいい、と顔面蒼白、呆然自失の私に声が掛かった。
通路を挟んだ向かい側の女性がこっちを覗き込んでいた。
「ここにいるのは攫われた女性ばかりよ。・・・もうすぐ船上で売買されて、そのまま外国人に売られるの。全員がね」
あなたもよ、と言われて言葉が出なかった。
食事を持って来る男たちが、泣き叫ぶ女性に笑いながらそう吐き捨てて言ったというのだ。
どうにか逃げ出せないかと見回すけれど、私に出来るぐらいなら他の女性たちもとっくに逃げているに違いない。
暫らくして、男たちが食事の差し入れにやって来た。
「ほらよ、朝メシだぜ。・・・ったく、面倒くせぇっての」
「おら、ブタどもっ。さっさと食べやがれっ。手間を掛けるんじゃねえぞっ!」
どの男も屈強な外国人ばかりだった。
その体格と乱暴な態度、吐き出される暴言に怯えるしかない。
ギロっと睨まれた私は、ヒイっ、と叫んで、急いで投げ入れられた小さなパンを手に取った。
歯向かう勇気など微塵も起こらなかった。
それでも恨めしい気持ちでコッソリ背後から睨みつけると、心の中で悪態を吐いた。
(くたばれっ、外道!)
もっと色々と言いたいのに言葉が見つからなくてもどかしい。
けれど、そんな気持ちもすぐに萎んでしまった。
恐怖に震える心を僅かな抵抗心で誤魔化していたのだろう。
さっきの悪態が、双子の兄達お気に入りの漫画の台詞だったことに気付いてしまい、私は家族恋しさに涙を流したのだった。

これから自分はどうなるのだろうか。
兄達は、両親は探してくれているだろうか。
逃げ出せそうもない現状では、只管に待つしか出来なかった。
あれから何度か食事が配られたけれど、私は喉が詰まって何も食べる気にならず、こっそりとベッドの下に隠していた。
腐敗することも考えたけれど、どうせ牢の中は汚物と臭気でいっぱいなのだ。今更と言えば今更だった。
何も食べていないのが悪いのか頭痛が酷く、身体がフラフラしていた。
これでは逃げる機会があったとしても動くことさえままならないだろう。
三日目、黒のスーツで決めた男たちが、私と女性全員を強引に外へ連れ出そうとした。
抵抗するべきか悩んだけれど、ここで抗ったら酷い目に遭うに違いなかった。
一列に並べられている女性の中には何人も殴られた痕が見られたからだ。
(ああ、いったいこれからどうなるの・・・)
帰りたかった。温かい家に。皆が笑っている優しい家族の元へと。
周囲をそっと窺うと、誰もが項垂れて、ただ静かに次にやって来る地獄を待っているようだった。
疲れ果て涙も枯れた、という諦めの表情で。


全裸に目隠しの状態で車に乗せられ、やがて大きな外国船にそのまま乗船したようだった。
「船の中では大小様々な競売が開かれている。お前たちには見えんだろうが、仮面を着けたお金持ちの皆様が来場されている。・・・そこっ、もっと背筋を伸ばして自分をアピールしやがれっ」
希少価値の動物や宝石、絵画に家具、そして奴隷を吟味して購入する上客ばかりだ、と私たちを連行しているリーダー格の男はご満悦のようだ。
逃亡を阻止するように六人ほどが前後に並んでいるので、少しでも遅れたり俯くと罵声が飛んできて恐かった。
今にも転びそうで汗だくになって歩いている私たちの横でリーダーの男はまだ説明を続けている。
「って訳で、この間は大層な金持ちが飼い犬と奴隷を大勢買ってくれたおかげで俺たちはぼろ儲け。お前たちは飼い主が出来て嬉しい」
良い事尽くめだな、と嘲笑するような声に胸が痛むけれど、手首を縄で繋がれている今の私は、確かに奴隷だよね、と認めるしかなかった。
何が楽しいのか、途切れることなく説明は続いていた。
途中で、この奴隷市の主催者だという男まで登場し、いかにこの市が素晴らしいかをリーダーの男と褒め合う姿に反吐が出そうだった。
殆どの商品が略奪や詐欺で盗んできた品だという。この船に居るという私たち以外の奴隷も攫われて来た者ばかりなのだろう。
ワザと怖がらせる様に朗らかに話し続ける主催者の靴音が耳障りだった。
そんな説明を誰が聞きたいと思うだろう。でも、私たちには耳を塞ぐ自由すらないのだ。

いつの間にか、自分が全裸で歩いている状況に慣れてしまっていた。
「よし、もういいぞ。・・・目隠しを解いて、現実を見せてやれ。この華やかな盗品市を」
己の羞恥心が戻って来ざるを得ないほどの光景が目前に広がっていた。
主催者の合図で布が外されたおかげで、説明通りの日常から掛け離れた世界がそこにあった。
絢爛豪華と呼べる調度品の数々。美しく着飾った来客たちが誇らしげに身に纏う大きな宝石の煌き。
そして、来客の男性のモノを口やお尻で咥える若い男女の姿が視界を占領する。
一人の男性が4、5人の若者を甚振って笑っている姿など見たくないのに。
背中を蹴られている人や血を流して空ろな表情で仰向けになっている人もいたけれど、誰もがそれを無視していた。
彼らに共通するのは、私と同じように全裸であるということ。
つまり、そう、私もまた、この船の中で奴隷として誰かに買われ、こんな酷い仕打ちを受けることになるのだ。
想像以上の絶望が私に襲い掛かっていた。足をヨロヨロさせて今にも蹲りそうになる。
「早くこい、ノロマめっ」
グイっと縄を引かれなければ、発狂したかの如く悲鳴を上げたに違いなかった。

競り場の奥、最も広い部屋へと一度集められて検査される。そう聞かされても無言で唇を奮わせていた。
「ほらよっ、・・・この縄化粧で値を釣り上げろや」
乳首を搾り出すように荒縄を掛けられると、とうとう人間じゃなくなるんだ、と涙が止まらなくなった。
他の女性たちも同じ格好にされて啜り泣いていた。
この後、検査に合格すると競りの順番を決められて、自分が売られる部屋を目指して歩くよう背中を押されるからだ。
「年齢とセックス経験を答えろよ。あとは、・・・まあ、検査員が指を突っ込んでくるだろうが、中に危険なモノが入ってないかの確認だ。気に入ってもらえるように腰でも尻でも振ってやるんだな」
その言葉通り、入った部屋で待ち構えていた検査官はニヤニヤしながら私たちの体へと手を伸ばしてきたのだった。
絶望と焦燥しかない私たちの横の通路を、豪奢な服を纏った大勢の紳士淑女が通って行く。
全裸でいることに驚くどころか、何かを確かめるようにこっちを見て囁き合っているのが怖かった。
「運が良ければ今買って貰えるぞ。腰でも振ってサービスしろや」
一緒に船へと乗って来た男たちがせせら笑って酷い言葉を投げてくる。
本当にもう逃げ場はないのだと、涙が零れ落ちていった。

首にナンバー付きの輪を付けられた私たちは、次々に壇上へと引き摺られて行った。
股間の検査をする間だけは、抵抗しないように再度目隠しをされたけれど、今は視界を塞ぐものはない。
周囲を確認出来ることに安堵するより早く、絶望が深くなった。
何故なら、壇上の手前で泣き叫んで抵抗する者に容赦ない蹴りや拳が飛んでいたからだ。
強引に脚を開くと固定され、その状態で放置されるのが見えてしまう。
無情な仕打ちに憤り、助けたい気持ちが湧き上がった。
けれど自分の二つ前の女性が呼ばれて引き摺って行かれると、鼓動が早くなって頭が真っ白になる。
ああ、もう次だ、と目を瞑り俯いていた私の周りが何故か少しだけ慌しくなった。
(えっ、何っ、何があったの・・・)
怯える私の首輪がグイっと掴まれたと思うと、まるで牛の様に別の場所へと引っ張って行こうとする。
(・・・も、もしかして、助かったの?)
一縷の望みが胸を熱くする。
でも、世の中そんなに甘い筈がなかった。
全裸のまま男たちに腕や首輪を掴まれ、大勢の見物人の嘲笑を浴びながら船内を急ぎ足で移動させられて行った。



やがて辿り着いたのは、広くて大きな部屋だった。
促され、私と付き添っていた男たちは続き部屋へと足を踏み入れていく。
そこには黒髪の大男がデップリとした身体をだらしなく弛緩させたままソファに座っており、私たちをジっと見つめていた。
いや、違う、私一人をだ。
何か合図があったのか、男たちが強引に私を床に跪かせ、髪を掴んで顔を大男に向けさせようとした。
抵抗する気概などとっくに消えてしまった私は、のろのろと視線を前へと合わせた。
「ひぃっ!」
私を見るその目は鋭く、頭のてっぺんから足先までじっくりと眺める視線が気持ち悪い。
まるで爬虫類が獲物を見る目のようだ。
無意識に小さく悲鳴を上げた私は、何とかその執拗な視線から逃れたいと身をよじった。
(いやっ、いやよっ! どう見てもこの雰囲気は・・・ヤバイっ)
五感が訴えて来るのだ。逃げろ、早く逃げろと。

舌舐めずりして私を見ているこの男が怖くて堪らなかった。
ゆったりと大男が背後に控えていた初老の男性を振り返ると、軽く頷いた。
大男の部下なのだろうその人物は、足元のアタッシュケース二つを持ち上げて進み出ると、私を掴まえている男の一人に手渡していく。
「ひぃいいいいいいいい~~~~~っ!」
一瞬にして何が行われているのか気付いて悲鳴を上げた。
けれど、誰も私になど見向きもしなかった。
まるで何も聞かなかったかのように無言を通しているのだ。
腕が自由になり男たちが去っても、私は慄いて震え続けていた。
初老の男性が、そんな私の腕を取ると隣室へと強引に引き摺って行こうとする。
絶望に震える足取りで部屋のドアをくぐると、そこは広い浴室だった。
上半身裸の女性が二人、濡れた床に傅いていた。
「頼んだぞ」
一言命令すると戻っていく男性を、女性二人が静かにお辞儀して見送っていた。

彼女たちは、ガタガタと震える私に近づいて来ると黙ってシャワーを掛け始めた。
優しい手付きで強張りを解され、湯に浸かる頃には身体が火照り、逆上せてクラクラしそうになる。
それでも、凍りついた私の頭は逃げる為に足を動すよう命令しなかった。
危険信号のスイッチは入っている筈なのに、思考が煙幕を張られたように働かないのだ。
目を閉じて俯く私に、そっと影が近寄るのさえ気付かなかった。
脇腹を持たれ、軽々と抱き上げられて、
「えっ」
ビックリ眼で見上げると、先ほどの大男がニヤニヤと笑っていた。
「いぃやああああああああぁ~~~~~~~~~っ。だ、誰かぁあああ~~~~~~! ・・・たすっ、助けてぇええ~~~~~っ」
泣き叫ぶ私を抱えたまま大男が湯船に入ってきてドスンっと座り込んだ。
ザバっ~と湯が大胆に零れていく。
暴れる私を胡坐の上に乗せると、次いで何の躊躇も無く猛った太い棒で私の秘所を貫いて来た。
「ひぃぎぃいいいいいいいいい~~~~~~~~~~~~~~!」
灼熱の太い棒を埋められて、私は痛みにブラックアウトした。

じゅるっ、ぶちゅう~。べちゃっ、・・・ぶちゅっ。
ちゅっぶっ、じゅるぅ~。ぬちゃ、ぬちゅうっ。
身体をナメクジに舐められているような感触に目が覚めた。
顔を音のする方へと向けてみると、あの大男が仰向けに寝かせられた私の太腿の間を嘗め回していた。
「ひぃいいいいい~~~~~~~~~~っ」
ショックで硬直する私に、舌を放した大男が嗤って伸し掛かって来た。
分厚い唇が私の顔に覆い被さり、ざらついたベロで唇を舐められてしまう。
(うげっ・・・。気持ち悪いっ)
悪寒に襲われ、ブルっと震えた。
動けない私の唇をベロで強引に抉じ開けて大男のベロが中に入り込んでくる。
酷い口臭が辺りに漂い、吐きたくて溜まらなかった。
大男の手は無造作に私の身体を撫で擦っては、皮膚を持ち上げるように捻っている。
特に何度も乳房を揉み揉みして、乳首を摘まんでは右へ左へと倒して遊ぶのだ。
最初は痛かったそれも、時間を掛けるうちに妖しい、モヤモヤとしたものが自然に湧き上がってくる。
押し退けようと大男の胸に置いた手は、いつしか縋る手付きで腰に回されていた。
気持ち良くてボ~とする無防備な私の秘所に、またしても大男のモノが突き入れられた。
「あぎぃいいいいいいいい~~~~~~! ・・・うぐぅううう~~~~~~。・・・うっ・・・、ふぐうぅうう~~~~っ」
必死になって口付けから逃がれ、私は甲高い悲鳴を上げ続けた。
「ふっ、ぐっ・・・っ、やあっ、・・・いやあぁああああ~~~~~~~~~~~っ」
今度は眠りに逃げる事が許されなくて、何度も貫かれては大量に中出しされ汚されていくしかなかった。



航海中、常に男の手の届く位置に控えさせられ、不埒な指に悪戯され続けた。
侍従だと言う老人の前で幾度も犯されて、その度に侍女二人によって身体を丹念に洗われてしまう。
ほぼ毎日、明け方まで激しく貪られ、息も絶え絶えになって失神寸前で許されていた。
昼食はデッキで一緒に摂らされるけれど、全裸で男に貫かれたままの為、殆ど食べる暇も気力もなくて、馬鹿みたいに喘ぎ続けるか痛みに叫ぶことしか出来なかった。
席に着くのも立ち上がるのも男に背後から貫かれたままで、脚を大きく開いた格好を取らされているから、何処かへ移動する時も、動く度に自分の体重でより奥へとソレを突き入れてしまうことになった。
せめてもの救いは、長く歩く時は男と向かい合わせで貫かれるので、その肩に縋れることだろう。
多くの船客、船員が、好奇心、或いは蔑みの目付きで見つめてくる。
それを知っているからこそ、男は愉し気に私を嬲り続けるのだろう。
初めは死にそうなくらい恥ずかしかったのに、十日、二十日と経つうちに諦めが生まれていた。
それでもせめて視姦される時間を短縮したくて、男の行為を積極的に受け入れることを選んでしまう。
(いやっ、ち、違うのっ・・・。違うっ・・・。こんなの、私じゃないっ)
自分の痴態を他人に見られる恐怖は変わらないのに、何故か身体がいつも以上に感じている気がしてパニックになった。
突き上げてくる膨張したモノに自分の秘所が纏わり付くように離れないのを自覚すると、目眩すら起こして興奮に高まる胸に叫びたくなった。
抵抗でも拒絶でもなく、嬉しいと歓喜の声を上げたい、そう思ったのだ。
初めてお尻の穴を使われた時は、今度こそ死ぬと思ったけれど、やがてその痛みすら快感に変わっていくのが分かり、涙がボロボロと零れ落ちていった。
私の心境の変化を男も感じ取っていたのだろうか。
命令なしに男のモノを口に咥えた時など大喜びで、
「褒美をやろう」
暫く経った或る日、特注の宝飾品が小型の高速船で届けられたのだった。

いつものように胡坐を組んだ脚の上に座り、杭打たれていた私に男が贈り物を箱から取り出して見せた。
私の掌に乗せられたそれは、クリトリスの根元に填めるリングだという。
その言葉に、恐ろしさで血の気が引き蒼白になった。
男がニヤっと愉快そうに笑って私の掌を握り込ませた。
ひいっと、悲鳴を上げて男から逃げようとするけれど、太いモノがズンズンと中を蹂躙してきて快感に意識が遠のいてしまう。
(あ、あんなの・・・、いやぁ~~~~っ)
意識が途切れる間際、男の太い指が私のそこを摘んで、例のリングを填めようとする気配を感じた気がした。
その後も贈り物だと、両乳首に大きなダイヤのピンピアスを貫かれ、細いピンの部分に特注の超極小クリップで色々な物をぶら提げられてしまう。
その重みに、乳首が引き千切られちゃう! と悲鳴を上げて泣き喚いた。
だけど、いつしか男に与えられる痛みが気持ちよくなり、気付かないまま切ない吐息で身体を飾るモノを見つめるようになっていた。
ほんの少しでも男の指先で身体を触って欲しくて、常に乳首はピンと勃ち、二穴は濡れそぼって大きな男のモノに塞がれるのを待ち続けるようになっていたのだ。

二ヶ月近くもそんな日々を送り、やっと船は男の国へと寄航することになった。
私を買った男は、その国の王弟だという。
商談が本決まりし、あの船に招待されたのだが毎日が退屈で少し苛々していたようだ。
偶々あの日デッキに出て涼んでおり、男たちに連行される全裸の女性の中に私を見つけたという訳だ。
他の男に買われた方が良かったのかどうか。今の私には判断できなかった。
どちらにしても、既に私はこの地へと連れて来られてしまったのだから。
主となった男は、二ヶ月間、私を全裸のままで過ごさせ、奉仕奴隷である事を心身に刻み続けてきた。
もう、元には戻れない。そう自分でも分かっていた。
大きな宝石が幾つも付いた首輪を填められ、男に、いや主人に奉仕した日々。
このあと連れて行かれる場所でも、私の処遇が変わらないのは間違いなかった。


ズクズク疼く身体を強引に立たされ、新品のシーツを全裸に巻きつけられた私は柱に寄り掛かっていた。
装飾を施された白い上品な柱はヒンヤリしていて気持ちがいい。
先ほどまで動き回っていた侍女二人がようやく落ち着いたのか、床に跪いている。
侍従の老人がピシっとした姿勢で立つ横では、主人が長椅子にゆったりと座っていた。
その視線は私のシーツへと向けられており、透視するかのようにニヤニヤと笑い続けている。
(恥ずかしい・・・)
時折、上下に動く視線に煽られて身体中が熱く高ぶって仕方がなかった。
(触ってぇ~~っ、お願いっ。・・・もうっ・・・こんなのっ・・・)
ペロっと舌を出した主人がご自分の唇を舐めた。それだけで、ズンっと下半身が疼いてイキそうになる。
「い、いやぁああ~~~っ。ご、ご主人さ、まぁ・・・っ」
耐え切れず、手を伸ばし、言葉にして強請ろうとした時、コンコンと扉を叩く音が聞こえてきた。
静かに開かれる扉。私は零れ始めた涙をそのままにじっと我慢しているしかなかった。
部屋へとやって来た者たちは、真っ先に主人の前に進むと恭しくお辞儀をした。
「お迎えに上がりました。王弟殿下」
鷹揚に頷いた主人が立ち上がって歩き始めると、侍従の老人と侍女の二人がそれに続いた。

誰も居なくなった部屋に立ち竦んでいると、男が一人やって来て私の腕を強引に引っ張り始めた。
「早く歩けっ」
苛立つ男の声にビクっと身体が震えてしまう。
酷い事をするとはいえ、今では慣れた主人の方がよほど安心出来た。
けれど、配下の人たちが王弟の手を煩わせることを許す筈がない。
私は、知らない男に触られる嫌悪感でムカムカする気持ちを、溜息を吐くことで和らげようとした。
シーツの中の身体は、主人の精液と私が零した淫液でドロドロになっており、チラリと覗く足首にも淫らに光るモノが未だ零れ続けている。
迎えが来るギリギリまで抱かれていた身体は、今も蕩けて屑折れそうな状態だった。
自分一人で歩くことなど出来そうもない。
なら、もう全てを諦めて任せたほうが身体も楽だと思った。
どうやら、私はヒトだと認識されていないようだったし、このまま付いていくしかないのだろう。

男に引っ張られたまま、長期間過ごした部屋を後にした。
船内を抜けると青空が見えた。新鮮な空気に心がホっとするのが分かった。
前方では、主人が大勢の従者を従えて車へと歩いて行くのが見えた。
黒塗りの高級車が数十台、綺麗に整列している風景は圧巻で、羞恥に俯いていた私も目を瞠ってじっくり眺めてしまった。
その中で一番大きくて長い車に案内され、侍従の老人が助手席に、後部座席に主人が乗り込んていった。
きっと私は最後の方の車だろうな、と考えていると、主人が私を指差して侍従に指示を与えて下さるのが見えた。
すぐさま老人が外に立っている部下に合図をし、私の方を一瞬だけ振り向く。
それだけで充分だったようだ。
私の目前で、波が割れるように男たちが静かに動いていった。
何て見事な連携だろうか。
掴まれていた私の腕は自由を取り戻し、ただ一人の主人が待つ車への道が作られたのだ。
フラフラと夢遊病者のように私は歩いた。
疼く身体を治してくれる主人の元へと。点々と淫らな雫を溢しながら。
主人が面白そうな目で見つめているのが分かる。
その息が、少しだけ興奮するように荒くなっていることに気付いた私は嬉しさに微笑んでいた。

外路には大勢の人々が整列していて、私たちの車が通る度に次々と最上級のお辞儀で見送られていく。
この国の民が、王弟の帰国を喜んでいるのだろう。
船を降りた私たちは途中から合流して何十台にもなった警護の車に守られると、粛々と首都にある王宮の中の王弟宮へと進んで行った。
主人は大人しく抱かれている私の胸をやわやわと揉んだり、乳首のピアスを咥えて引っ張っては唾液で塗して遊んでいる。
度重なる陵辱に慣らされた私は、僅かな刺激でも感じる身体へと変えられており、甘い声を上げて主人に縋りついた。
もう片方の手が私の足首を掴んで大きく広げると、指が秘所を捉えてズブっと奥まで突き込まれていく。
ぬちゃぬちゃと恥ずかしい音が響き、羞恥に耳を塞いだ。
そんな私を主人はきっと面白そうに見下ろしていることだろう。
それでも広げられた脚を閉じることも下ろすこともなかった。
既に身体だけでなく心までも犯され、この陵辱に快感を覚えた私には、主人が行う行為が全てなのだ。
初めての景色をじっくり見る余裕もなく、喘ぎ続けている間に主人の宮殿へと私は納められたのだった。
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