【 独占する者、される者 】 初出-2010.04.14

クラスメイトからの脅迫。タイトル通り。


綺麗なイラストを眺めて思ったのは、いつか展示会にも行ってみたいな、ということ。
ただ、それだけ。
そう、ただそれだけだったのに。

和装の女性が、肌をほんの少しだけ見せつつ、でもしっかり隠して、という構図が多い画家のイラスト集を見つけたのは、偶然のことだった。
図書室の掃除をしている最中に、ふと目に止まったのだ。
周りに誰もいないのをいいことに中を開いてしまい、暫らくじっと見入っていた。
それからどれほど経ったのか、何かを感じた僕はふと背後を振り向いていた。
真後ろに同じクラスの生徒が立っていて、ニヤニヤと笑いながら僕とイラスト集を見比べている、そんな姿が目に入ってくるとも思わずに。

彼は、仲の良い友人ではなかった。もっと言ってしまえば近寄りたくもない。
正直、とても苦手な相手なのだ。
バツの悪い思いでそそくさと本を棚に戻すと、僕はその場から離れようとした。
相手の腕が止めるように突き出してさえ来なければ上手くいっただろう。
だけど、嫌な笑いを浮かべたままの彼に思わず怯んでしまったのが間違いだった。
僕を御し易い相手だと思ったのだろう。彼は強い力で部屋の奥、誰も来ない場所へと引き摺って行こうとする。
「ちょ、ちょっと。・・・ま、待って、井澤君。なに、なにするんだよっ!」
逃げようと抗いつつ咎めの言葉を発すると、僕を乱暴に窓へと押し付けて来た。
「そんなに慌てて逃げなくてもイイじゃねぇか。・・・それにしても、なぁ。まさか、岡谷が女に興味持ってるとはなぁ~」
侮辱のような言葉と裏腹に、彼はマジマジと子供のように純粋に驚いた目で僕を見つめてくる。
「な、なに言ってんだよ。僕だって、女性に・・・その、興味はあるよ」
言い終わってから、言い方を間違ったことにようやく気付いた。
「へぇ~。女の体に、セックスに興味あるってか。ビックリだな。そんな細くて女っぽいくせに」
「ち、違うよっ。さっきは、その、言い方が間違ってたかも知れないけど、その普通に男としての興味って言うか。あの、その・・・」
段々顔が真っ赤になってきて、言葉が上手く出て来なかった。
何を言っても、性行為に話を繋げられそうで嫌になる。
しどろもどろになりながらも必死に弁明する僕を、井澤は黙って見下ろしていた。
その沈黙が、痛い。
(う~。大体、何で井澤がこの図書室に居るんだよ? 普段なら、放課後は女の子達と一緒に帰ってるはずだろう?)
引っ切り無しに女の子と遊び歩いても、常に上位をキープする井澤は、教師の受けも良く、ちょっと制服を着崩していても軽い注意だけで許されていた。
僕のようなどこにでも居る平凡な人間には、彼のようなタイプはひどく苦手でクラスの中でも避けていたというのに。
(うぅ、早くどっかに行ってくれよ。お願いだから)
そんな僕の願いも虚しく、どうやら彼は僕に絡むことに決めてしまったらしい。
「・・・おいおい、そんなに真っ赤になって俯くなよ。まるで女を虐めてるみたいじゃん。分かってるって。岡谷だって男の子だもんな。セックスに関心あるのは当然だよ」
僕の両肩にガシっと手を置き、彼はそう言った。
(ち~が~う~っ。僕が興味を持ったのは、構図と画の雰囲気だってば!)
ブンブンと強く首を振って否定するうちに、何故だか薄っすらと涙が出て来てしまった。
(やばいっ。本格的に泣いちゃうよ。まずいって)
慌てて手の甲で涙を拭った僕は、何故か顔を赤くした彼に床に押し倒されてしまう。
「えっ、えっ! なに、何なの?」
上から圧し掛かられ、井澤の大きな身体と重みに混乱していく。
「やべぇ。さっきの涙と拭き方に勃っちまった。すげえ変な色気持ってんなぁ、岡谷。・・・ま、しょうがないか。なっちまったもんは、さぁ」
ブツブツと小さな声で、けれどもしっかりと僕の耳元に気色悪い言葉が囁かれた。
「う~ん。まさか男相手にこの俺がなぁ。でも、まぁ、今の岡谷なら楽しめるかな」
最後のセリフを聞いて、ようやく彼が僕に何をしようと、いや、僕で何をしようとしているのかに気付いた。
(うぇ? な、えっ、ぅ? えぇええええええええ~?)
意味が分からない。いや、分かりたくない僕は必死で首を振って拒否した。
「や、やだ、やだ、やだっ! なに、何考えてんだよっ! は~な~せ~っ」」
滅茶苦茶に身体全体を使って振り解こうとしたけれど、井澤の腕は僕より太くて、力も段違いに強かった。
ひ弱な僕に簡単に押し戻せる訳もなく、焦る心と裏腹に床から起き上がれない。
それでも黙ってこの男に、奥まっているとはいえ誰が来るとも知れない場所で犯られる訳にもいかず、僕は必死に抵抗し続けた。
服を剥ぎ取られ、身体中を弄られても。
強引に先に達かされても抵抗したのだ。
決して入ることのない場所に、入らない大きさのモノで貫かれるまでは。



大人しいだけの存在だった岡谷とセックスしてから二週間が経っていた。
抱けば抱くほど、自分にピッタリ合う身体だと感じていた。
硬い男の尻が、あれほど柔らかく揉み易いとは思わなかった。
穴の中も女と同じ、いやそれ以上に気持ちが良くて毎回のように中に出してしまう。
その度に、岡谷の泣きそうになる表情が可愛くて堪らなかった。
初めて中出しした際に携帯で写メを撮って脅かしたからか、岡谷は素直に身体を差し出してくる。
(まぁ、俺が怖いっていうのが本音だろうけど)
毎日、昼休みと放課後に犯っているから諦めたのか、今日は珍しく彼が先に教室から出て行き、俺が後から追い掛けて行くという初パターンだった。
一度でも逆らったら、俺の友人達に犯らせようかな、と脅したのも効いているのだろう。
(そんなつもりは毛頭ないけどな)
いつものように、女と同じ細い身体つきの岡谷を床に押し倒して背後から貫いた。
顔が見えないのはつまらないが、岡谷は後ろからの方が感じるし喘ぎ声も高い。
尖った乳首が床に擦れるのも気持ち良いようで、引っ切り無しに泣いてくるのだ。

「っはぁあ~! あっ、あぁあああああああ~! んっ、んんっ、んっ」
さっき中出しした精液が、突き入れの度に少しずつ零れ落ち床を濡らしている。
その卑猥な光景に、俺は腰の動きを早めていった。
「や、やっ、だっ。いやぁああ、もっと、もっとゆっくりっ! あぁ、お願いっ」
岡谷の身体に俺のモノを早く慣れさせようと、何度も何度も大きく腰を振った。
真っ白な双尻と細い足が淫らで、俺の身体が熱く高ぶるのを止められない。
本能の望むまま、今一番気に入っている岡谷を達かせる為に突き上げを繰り返す。
「さっきみたいに勝手に達くんじゃねぇ。俺と一緒だ、いいな?」
ベロっと右耳を舐めて囁いてやると、岡谷が小さく頷いた。
その仕草が可愛くて、もっと虐めてやりたくて、腕を前に回すと乳首を捻ってやった。

じっくりと乳首を弄り続けていると、普段からあまり話さない岡谷が必死になって俺に哀願を繰り返してくる。
「ひぎぃ、ぎっ! い、いやぁああ。や、やだ、やっ。あぁ、だめっ、だめっ! い、いっちゃうっ、いっちゃうからぁ・・・。あ~~ぁ、は、離してっ、離し、てぇ~~」
望み通り乳首から指を離してやったが、替わりに小さなペニスを握ってやる。
腹に引っ付くほど勃起したペニスはプルプル震えて愛らしい。
鈴口から流れ出る淫液を戻すように指を入れて抜き差しすると、岡谷は大きく身体を震わせて達ってしまった。
俺も追い掛けるように、柔らかい岡谷の尻の中に全ての精液を吐き出す。
たっぷりと、ペニスを中で回しながら擦り付けるようにして。

「また先に達ったな。お仕置き、だよな?」
顔を強張らせて俺を振り返る岡谷に満足し、ぷっくり膨れて濡れた唇を唇で塞いだ。
甘かった。何もかもが。
(ちっ。また、犯りたくなっちまった)
それでも、体力のない岡谷を連続で犯すのは難しかった。
どうせなら自分の限界まで楽しみたかったから放課後まで我慢することに決めた。
例の図書室に久しぶりに行って羞恥に泣く岡谷を抱いてもいいし、屋上に連れ出し柵に掴まらせながら犯すのも面白いだろう。
俺の命令を聞かなかったら恐ろしくて恥ずかしい仕置きが待っている、と心と身体に教え込まなければならない。
厳しく、時には甘やかすように優しく。飴と鞭の要領で。
この俺から逃げられなくしてやろう、そう思った。
「さぁ、教えた通りもう一度俺を勃たせて達かせるんだ。出来るよな、岡谷?」
怯えながらもコクっと頷く岡谷が可愛い。
女よりも女らしい彼の性格と仕草、そして身体を気に入っていた。
滑らかな肌はいつまでも触っていたい。
心地良い尻の中からも出たくはなかったが、さすがに三度も中出しすると後始末が面倒なことになる。

目の前には、仕置きという新たな陵辱に震える白い身体。
その全身を眺めながら、今夜は別の白いモノで汚してやると心に誓った。
(取り敢えず、もう一発、口ん中に出せば少しは満足するだろう)
未だ上手くならないフェラチオだが、何度も練習させる以外に方法はない。
それに、技術こそないが、岡谷の口の中は暖かくて気持ちが良いのだ。
俺を優しく包んでいる場所からペニスをゆっくり引き抜き、その精液まみれのモノを岡谷の眼前へと押し付けてやった。
ギュっと目を瞑り、唇を震わせる岡谷が愛しい。
誰よりも愛しい。そう思った。
(岡谷は俺のモノだ。誰にも犯らせない。奪わせない)
どうしようもない衝動が湧き上がって来る。
それを表に出さないよう抑えると、俺は彼の目蓋が開くのを静かに待った。
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