泥の底に沈む身体を 「飼い主の愛情」


チラっと時計の文字を確認し、どうやら今日は残業になりそうだと心の中で溜息を吐いた。
目前には、くだらないことをグダグダと話し続ける男が座っている。
世界中で宝石を売買する彼は大学時代からの友人で、久しぶりに故郷に戻って来たという。
連絡をもらって飲みに行ったまでは良かったが、中々解放してもらえないでいた。
(まぁ、仕方ないか。多分、これでも私を元気付けようとしているんだろうからな)
おじさんと呼ばれる年になって結婚したというのに、半年も経たない内に妻に家出された哀れな男、それが私だった。

あの日のことは今でも良く覚えている。
具合が悪いと話す新妻を残して、その連れ子である娘と旅行から戻って来たら、手紙一つを残して姿が見えなくなっていたのだ。
勿論、警察に届けも出ており、いつ帰って来ても叱らずに受け入れる気持ちでいた。

そう友人に話したのがマズかったのだろう。
直接慰めるのではなく、各地で見聞きした面白い出来事を延々と語り続けている。
営業マンらしい途切れない話題の豊富さが、今の私には少々煩わしい。
肩でもどこでもいいから、もうそろそろバンバン叩いて、じゃあな、と逃げてくれないだろうか。
他人を慰めるのは面倒なものだとこちらも理解しているから、さっさと切り上げてしまいたい。
何より、私には家に一人で泣いている娘がいるのだから早く帰ってやりたかった。



取引き先の会社でパートをしていた憂い顔の女性。それが私の逃げた妻である。
他人からは優しくてダンディだと言われている私のセックスは多少変わっている自覚があった。
そしてその趣向に付き合えるオンナは少なかった。当然と言えば当然だ。
だから長いこと独り身だったのだが、妻はその意味で私をそれなりに満足させてくれた。
初めて会った日、試すように何気なく送ってみた支配的な笑みに、このオンナは身体をブルブルと震わせてみせたのだ。
逃げればいいものを、こちらのアクションを待っている姿に、正直、簡単に支配できてつまらないと思った。

その気持ちが変わったのは、三回目の待ち合わせのことだ。
仕事の苛々も重なって性欲がひどく高まっていた。誰でもいいから今すぐに陵辱し、その穴に大量にザーメンを注いでやりたくて堪らなかった。
最初は馴染みの店にでも行くつもりだったが、二回会って支配したあのオンナを思い出していた。
「今すぐ来い」
支配者として呼び出せばオンナから簡単に了承する返事が来た。あっさり過ぎて詰まらないが仕方がないと割り切った。
もう一度だけ甚振って別れるつもりでホテルに向かうと、オンナの横に初めて見る少女が座っていた。
高校生ぐらいだろうか、まだまだ未成熟な身体だったが、将来は牝犬として期待出来る色気が漂っている。
(ククっ。この馬鹿オンナの腹から、よくぞ、こんな素晴らしい牝犬の卵が産まれたものだ)
私や私の同類にしか気付けない微かなものでしかなかったが、この時だけは心の中でオンナに感謝していた。

下心ありで一緒に遅い夕食でも、と誘ったのだが、
「いいえ。デートの邪魔なんて・・・。お母さん、先に帰るわね」
失礼します、そう言うと少女はするりと逃げてしまった。
(そうか、この牝犬を手に入れる為には、まずこのオンナと同棲、いや結婚する必要があるのか)
正直、身体以外に興味の持てないオンナだったが、極上の贈り物が手元にくるのならば、これも割り切るしかないのだろう。
初めは少女をレイプして脅し、時々家に連れ込んで愉しむことも考えた。だが、数回の行為でこの気持ちが収まらないことは明白だった。
ふっくらした唇と赤く染まった頬。今すぐにでも噛み付きたいほどに美味そうな首筋。
まだ成長途中の胸の膨らみとほっそりした腰、スカートから見えた柔らかな太腿。
思い出すだけで股間が熱くなってしまうのだ。絶対に一、二度のセックスでは満足出来ない。
永続的に調教し、数年後には成熟するであろう牝犬で愉しむ、その楽しさに心が踊った。

仕事の癒しアイテムにもなるだろう獲物を見つけた私は、その夜、オンナに隷属の証として結婚することを命じた。
「月末には書類を出す。何か問題があるか」
驚いた顔をしたもののオンナはすぐに頷いて来た。
「いいえ、・・・いいえ、何もありません。宜しくお願いします」
別れた夫との暴力に耐え、その過程で植え付けられた被虐な心と身体は、これまでも私のような男に目を付けられていたらしい。
「貴方に飼われると思うだけで、それも妻として迎えてもらえるなんて。・・・あぁ、嬉しいっ」
自分の性癖が元夫によって変貌したことにオンナ自身も気付いており、前回の調教の際に諦めと支配される悦びを告白していた。
強引に押し倒され、勃起したモノで貫かれながらオンナは泣きながら悦び続けた。
私の真の狙いが誰であるかなんて気付くことなく。

喋り続ける友人に適当に相槌を打ちながら、私はようやく手に入ったモノ、家で快感に泣き叫んでいるだろう娘へと想いを馳せていた。
今、こうして思い返してみても、やはりあの時すぐにオンナを結婚という罠で取り込み、付随してきた贈り物を手元に引き寄せて正解だったと感慨深くなる。
逃げられないよう、穏やかに優しく、愛情を感じさせるような口調と視線で傍に座ると、その若々しい肌の滑らかさと、ぷっくり膨れた唇をこっそり観察した。
時々、褒めるように頭を撫でてやると、恥ずかしさに頬を染めるものの気持ち良さそうにうっとりするのが可愛かった。
他のオンナには一度も持ったことのない、愛情というモノが確かに私の中に育ちつつあるのを自覚するのに時間は掛からなかった。



そんな珍しい感情に多少戸惑っていた頃、未来の私の牝犬が、
「今日、交際をOKしたの」
告白されたのなんて初めて、と緊張した小さな声で話し始めた。
普段から何かあればすぐに報告しなさい、と言っておいたからか、男が出来たことを告げたのだ。
私は燃え上がった嫉妬心を一瞬で抑えると、本物の父親が言いそうな言葉を選んで叱ってやった。
焦りもあったのだろう、強めの口調になったのは仕方がなかった。

初めて咎められたことで驚きの表情を浮かべ、次いで焦った声で謝り始める娘に内心ニヤリと笑っていた。
「お義父さん、そんなに怒らないで。・・・ちゃんと言うこと聞くから」
台所で忙しく動き回る母親をチラチラと確認しながら 義理の娘である由利香が自室へ戻ろうとした私を追いかけて来た。
「待って、話を聞いて下さい」
見なくても分かる泣きそうな顔と怯えた声音に、薄らと満足の笑みを浮かべていた。
(ククっ、何て哀れで可愛い仔犬なんだろう)
振り返って今すぐに押し倒し、好きなだけ陵辱してやりたかった。そんな気持ちを押し殺し、無言で通り過ぎて行く。

高二にしては子供っぽい、はにかむ様子が愛らしい娘だった。何より、私の言動に左右される大人しい性格が気に入っていた。
(想像以上に胸も大きいし、腰と尻の動きもプルプルで実に美味そうだ)
そんな風に見られているとも知らない由利香は、私の掌が頭頂を撫で回しても、多少の照れと気持ち良さに頬を染めてみせる。
まだ慣れていないのを強引に、だが優しい口調で引き寄せて膝の上に乗せると、恥ずかしいと囁きながら黙って俯いてしまうのだ。
その首筋が赤く染まって、これまた美味しいそうで堪らなかった。
日々募っていく娘への欲情。由利香を犯して抱き潰したい衝動を妻へとぶつけていた。

悦びに泣き叫ぶだけのオンナに苛々していた私は、この日、そんなセックスの場面をあえて見せてみることにした。
危険な賭けではあったが、結果は上々。予想外の効果を生んでくれた。
あのまだまだ子供らしい由利香の中に、妻と同じ淫蕩な性質が潜んでいることを初めて会った日に確信していたものの、こんなに早く発芽してくれるとは思わなかった。
時折、寂しそうに、恨めしそうに私を見つめてくる由利香に笑いが止まらなかった。
(早くここへ、我が手に堕ちて来るといい)
娘への感情を表すように日に何度も柔らかな身体に手を置いたり、雄が雌を見るような視線を時折投げ掛けると、家の中の空気が徐々に変わり始めた。
妻は苛々して些細なことで娘を叱るようになった。
娘の方は、私の視線に最初は驚いたものの何も言うことなく呼ばれれば今まで通り傍に座ってくる。
大胆に頬や唇に手を置いても逃げることのない娘の態度に、妻の顔が何度も強張っていた。

やがて、当然のように家庭内は緊張の糸を張りつめた状態となった。
母娘で私を取り合っているくせに、両者ともそれを微塵も口に出さない。どうやら、まだ幸せな家庭ごっこを続行出来ると思っているらしい。
(この連休で仕掛けるか。由利香はもう手に入ったも同じ。あのオンナにも買い手が付いたしな)
昔入り浸った秘密倶楽部に連絡を取り、購入者を募ったところ、満足の待遇を提示する相手が現れたところだった。
婚約者に去られて心を病んだという息子の為に、オンナを買い集めている父親だと聞いていた。
女体に病的な執着を見せ、片時も放さないで手酷く弄りまくる所為で、いつしかオンナの方も精神に異常をきたすという。
実に理想的な、不用なオンナの捨て場所だと思われた。
「仕事の取引き先の息子だ。明日の朝に迎えが来る」
その身体で接待して来い、上手くやれたら好きなだけ抱いてやる、と嫌がる妻の耳元に囁き掛けて強引に送り出した。
連休中に相手に気に入られたら、契約を交わす段取りになっていた。
あくまで書類上のことで、私は代金の受取りを拒否している。
価値のないモノとして捨てるのだから当然だろう。

 ▲

旅行だと行って連れ出した由利香をコテージの寝台へと押し倒した。
驚く表情が愛らしいと暫らく見ていたのだが、一向に抵抗らしい抵抗を見せない。
腕を私の胸元へ伸ばし押してはいる。脚も動かしてはいるものの、これも本気の抵抗には思えなかった。
私が自意識過剰なのか、それとも本当に処女を与えても良いと考えているのか。
ここ暫くの私の態度と視線に確信に近いものを抱いている筈の娘は、どうやらこの状況への対処の仕方が本気で分からないようだった。
由利香の表情があまりに初々しく、抵抗と呼べない無意識の甘えが垣間見えていた。
ことセックスに関しては嗜虐性の強い私も、最初ぐらいは優しくしてもいいか、と思ってしまったのだ。
結局、飼い犬として由利香を躾けている今現在も、何故か七割が優しさで、残り三割が手酷い嬲り行為となっている。
あくまで私の基準では、だったが。

最初の夜を普通のセックスで済ませたからか、翌日は朝からギンギンに勃起している杭で早く由利香を蹂躙したくて堪らなかった。
一度だけ優しい口付けを与えると乳首だけを何度も繰り返して嬲ってやり、
「ずっと聞き分けのいい仔犬でいたら、長く飼って可愛がってやるぞ」
甘い父親ではなく支配者であると理解させる為に、激痛と微かな悦びを交互に与えていった。
それから数時間後、ようやく前日から燻っていた性欲へのモヤモヤを私は解消することが出来た。
すでにこちらを飼い主として見ている仔犬には、所有物として隷属することを誓わせている。
誓約書代わりに痛いほど膨張したモノで貫いてやり、大量の精液をそこに注いだ後、ペニスへの奉仕の仕方、とりわけ清めの舌の動かし方を教えていった。
時々、秘所へとペニスを打ち込んで性欲を発散させたものの、その日は大部分を奉仕で終わらせてから眠りについた。

連休の最終日、その日は忙しかった。何しろやることが多すぎたのだ。
由利香に前日の奉仕の復習をさせると、今夜の宿となるラブホテルに向かった。勿論、その車中でも奉仕を繰り返させた。
可愛い仔犬は実に従順で愛らしく、飼い主として甘くなり過ぎたか、と一度だけワザと叱ってやったほどだ。
卑猥な態勢にさせた由利香をラブホテルに残して、私は例のモノを捨てる為に購入者の家へと向かった。
他人に見られるのが嫌で少し離れた場所に車を止めると、散歩がてら歩いて行くことにした。
着いた先は馬鹿でかい屋敷だったが、病的な感じが外観にも表れていた。
全裸で床に座り込んでいたオンナの目は灰色に濁って見え、よほど嬲られたのだろう、身体中に唇と鞭の痕が見られた。
「では、これで全て終わりですね」
「ええ、二度とお会いすることはありません」
契約書にサインをしていると、息子らしい男が現れて嫌がるオンナを引き摺り、奥へと消えていった。
且つては妻として迎えたオンナだったが、今の私には虫より価値がない。
順調に進んでいる計画の最後を締めるべく、私は踵を返すとさっさと玄関へ向かった。
外観同様に中まで暗く湿っぽい屋敷を出て駐車場への道を歩いていると、メールが届いたと知らせる音楽が鳴った。
無視しても良かったが、何となく視線を走らせてしまう。

結婚前から捜していた条件の部屋が見つかった、という不動産からのメールだった。
(ふむ、由利香はあのまま放っておけば躾けになるし、行ってみるか)
ようやく手に入れた淫乱牝犬を飼うには、今の場所は多少手狭だと感じていたのだ。
あのオンナの匂いも染み付いてしまったし、早いところ引っ越すべきだろう。
新築の高層マンションとして売り出されたそこは、セキュリティも完璧だが、なにより同じ嗜好の住人が集まっているのが素晴らしい。
捜していた条件にピッタリだった。売れない内に手配する必要がある。
担当者と待ち合わせてから見学させてもらい、その場で契約を済ませた。終わった頃には夕陽が落ちていた。
それから妻の行方不明を警察署に届けると、車を運転して家に戻った。

良い気分でゆっくり眠った私は、放置していた由利香を取りに行くことにした。
命令通りずっと弄っていたのだろう、秘所には指がズップリと入り込んでいて、由利香の思考は快楽一色になっているようだ。
それでも、私の存在に気付くと、一緒に帰りたい、と泣きながら訴えてくるのが可愛らしい。
子供のような口調と哀願に頬が緩むのが分かった。お前に溺れてしまいそうだ、と無意識に褒めてしまう。
視線を向けずとも、由利香の指が秘所で動き続けているのは、ヌチュっという恥音が途切れないことで分かっていた。
こんなにも順調に躾けが進んでいるのだ。多少は優しくしてやりたいと思うのも仕方ないだろう。

 ▲

可愛い仔犬の頃から現在までを思い返したというのに、目前ではまだ友人の男が喋り続けていた。
確かにこの男は善良でいい奴なのだろう。だが、もういい加減、お互いに満足するべきだろう。
今頃、友人は心の中で止め時を見計らっている筈だ。実際に彼は十分頑張ったと思う。
慰める代わりに面白い話でこの場を盛り上げているのは確かだ。私には何一つ響かなかったけれど、それは彼の所為じゃない。
丁度、彼の話が一段落した所で、私は彼に感謝するように何度も頷いてやると、それでもまだ妻に未練があるような台詞を幾つか呟いておいた。
「久しぶりに楽しかったよ」
「ああ、こんなにゆったりした時間は貴重だよな」
彼にとっても苦行であろう時間がようやく終わろうとしていた。
多分、友人は消えた妻は戻らないと考えているだろう。私にしても、捨てたオンナに興味はなかった。
表に出せない気持ちを上手に隠して私たちは席を立った。
「じゃあ、またな」
「あぁ、お前も元気で。またいずれ会おう」
滅多に会えない者として正しい友人顔で別れていく。
そう、これこそが正しいコミュニケーションだろう。


マンションのエレベータを降りると、そこは個人の玄関へと直結している。この便利さもここを選んだ理由の一つだ。
「ただいま、由利香」
駐車場から連絡を入れていた私は、迎えに出ていた可愛い仔犬の頭頂へと手を伸ばした。
隷属の誓いを立てた日から、この仔犬はどんどん淫乱になっていた。
出掛ける前の指示を守ったのだろう、クリトリスが真っ赤に腫れ上がっていた。
「気持ちイイかい?」
ぷっくりした部分を指で弄り続ける由利香に囁くと、コクっと頷いてきた。

この飼い犬は、どんなに身体が疼いても快感に侵されても、何故か清楚な雰囲気を失わない。
はにかむ表情も子供っぽい表情も好ましいから残したい気もするが、最終的には成犬に、立派な淫乱牝犬にする予定だ。
「いい仔だったね、由利香。ご褒美を上げよう。・・・さぁ、咥えなさい」
ソファまで行って座りたい気持ちもあったが、視界に入って来る悩ましい身体に股間が疼いて、それさえどうでも良くなってしまう。
タプっと揺れる乳房、小さな赤い実のような乳首。細い腰から太腿へかけてのライン。全てが私を誘ってくる。
スラックスの前をゆっくりと開いて行った。そしてすぐに両手を下ろした。
じっとその様子を見ていた由利香の腕が私の股間へと伸ばされていった。
ゆっくりと慎重に欲しいモノを取り出していくのに笑いが止まらない。

大好きになったモノを擦って膨らませている両手はそのままにして、由利香の視線は主人である私を見つめていた。
淫らに光る口元の煌き。涎と唾に彩られた唇はぷっくりと膨れていて上手そうだ。
こんなにも若くて従順で、かつ淫乱な犬を飼える幸せを誰かに伝えたい。
(何を馬鹿なことを・・・)
自分の思考に苦笑した私は、愛する飼い犬の後頭部を掴むと強引に膨張したペニスをその細い喉へと突き立ててやった。


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